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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
覚悟こそ最強の矛
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を立てた。自分にこの男を守る盾になることは出来ない。
 それなら。両立できないのなら。極めよう(・・・・)


『俺が主人(ユウキ)の最強の矛になる』


 ユウキの覚悟とキノココの覚悟。それがきっかけだったのだろうか。
 突如ユウキに包まれたキノココの身体が虹色に輝く。とても幻想的なその光は二人の覚悟を象徴するようにゆっくりと形を変えてゆく。光は数秒後、一際光り輝きユウキをも包み込んだ。
 そこには今度はユウキを庇う形で、キノココ……

 いや、キノガッサ(・・・・・)がユウキを包んでいた。

 そして空中で身を翻すと、キノガッサは一箇所突き出した岩のふちに手をかけ落下の勢いすべてを手に集約。勢いを殺しつつもそれを利用し逆に飛び上がる。
 進化したその身体は盾にも矛にもなれなかったさっきまでとは違い、どこまでも軽く、強靭で……。
 ユウキの矛になるくらいどうってことないくらいの力に満ち溢れていた。

「な、何故お前たちはそこまで……」

 飛び上がってマツブサと目があった。だからキノガッサは、





「ガッサ(覚悟だ)」





 そこまでするのは覚悟を決めたから。
 信念とも言うべき勝利への執念。全てを主人にゆだね、命令を忠実に実行する騎士。そして主人の最高の矛となる覚悟。
 それが彼、キノガッサの全てなのだ。

 だから彼の拳は重い。

「見たところ戦闘不能に近いと踏んでいたのだがな」

 どんなにボロボロになろうとそれは変わらない。

「コジョンド、ドンカラスに続いてギャラドスまでも……。油断などなかったはずだったが、流石チャンピオンというべきか、それとも……」

 そのポケモンを褒めるべきか。
 ここに立っているだけでも異常。そんな手負いのキノガッサのはず。あとは押せば倒れる。

「だというのに……?」

 この威圧感はなんだ。
 闘気だけでボールを握る手が震えた。

「ふ、フハハハハ!!!!面白い!面白いぞ!」

 ーーチャンピオンとは。チャンピオンのポケモンとはここまでの力を秘めているのか。

「ただ私もやられているばかりじゃ部下に示しがつかないんでね」

 そして、フラダリは自身の代名詞ともいえるポケモンを繰り出す。

「いけッ!カエンジシ!」

 炎が揺らめくかのようなたてがみを持つポケモン、カエンジシ。
 相性的には最悪もいいところだ。

「さて、どうするかね?」

 だからなんだ?
 低く呻いたキノガッサからそんな声が聞こえた気がして、フラダリは自分が冷や汗を流していることに気が付いた。まがいなりにも組織を束ねる長。そんな群れのトップが単騎戦力に気おされている。

「手負いなどと見な
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