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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
覚悟こそ最強の矛
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グラエナ、バクーダ、ズバット!」
複数のポケモンとの戦闘などざらにある。ルール無用、ポケモンが全てを決める、ことこの世界においては勝ったものが全てを得るのだ。もちろん三体同時に指示を出すなどという技巧は卓越したトレーナースキルあってのもの。その技量を持つマツブサの力量は流石と言わざるを得なかった。
しかし困ったのはユウキ。マグマ団員との連戦に次ぐ連戦に手持ちのポケモンはほぼ全員が戦闘不能であり、唯一動けるキノココも炎タイプに弱いからと温存していただけにすぎなかった。
(流石にこれは分が悪すぎる)
撤退。そんな選択肢が脳をよぎった。
その時、
「キノッ!ココッ!」
突然力強い叫びが。それはいつの間にかモンスターボールから出ていたキノココのものであった。その声を聞いただけでユウキはキノココが何を言いたいのか察する。
ーー戦わせてくれ。
「お前……でもどうするって!」
ここはえんとつやまという活火山。しかもその火口だ。熱風と炎熱で全身を焼かれるこんな場所で草タイプは自分の力を発揮できないはず。
誰がどう見ても絶望的な状況。三体一、尚且つ適さない環境下での戦闘で勝利など……不可能。
そんなことマツブサとユウキ、当然
本人
(
キノココ
)
が一番よくわかっていた。ただ引き下がる訳にはいかなかったのだ。ユウキの為にも自分の意地の為にも。
そしてバトルは始まった。
キノココは頑張った。本当に。
だが、だから、だけど。この結果はしょうがない。
キノココは敗北した。ズバットを倒し、グラエナを眠らせ、バクーダのHPを削り、倒れた。
「健闘をたたえよう。お前たちは良くやった。だがそれまで」
無慈悲にもマツブサは、
「不安の芽は若いうちに摘んでおくに限る」
戦闘不能のキノココを、
「トレーナーもすぐに後を追わせてやる」
マグマ煮えたぎるえんとつやま中心に向かって放り捨てた。
「やめろおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
絶叫は無情にも空を切った。
キノココの身体が力なく自由落下を開始する。さしたる抵抗もなく、あまりにあっさりと。
「この死はトレーナーとしてのお前の力量不足だ。精々苦しむと……」
そこで……マツブサは見た。
一片の躊躇いもなく、宙に身を投げ出すユウキを。
「おおおおおおおおお!!!!」
ガシッとキノココの小さな身体を包み込む。まるで赤熱した溶岩の熱からキノココを守るように。
その時からだ。
キノココは認めた。こいつは自分の主人だと。その優しさに惚れた。自分の為に数千度の溶岩へとダイブするユウキの覚悟に。
だからキノココはこんな『誓い』
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