プロローグ
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い。どうにか倒したと思ったら転校生の口から口舌院一族の存在が明らかになってさらなる戦いに巻き込まれるとはな‥‥」
「無事に戦いから帰ったと思ったら今度は両グループ留年の危機。僕の成績表があんなことになったのは初めてで愕然としたのを覚えてるよ」
「三ヶ月も帰れなかったしのう‥‥」
と、口舌院一族を巡る戦いに巻き込まれた話を感慨深げに語ったり。
「ド正義が女体化した時の衝撃は忘れられんのう」
「忘れろ。あれは完全なる黒歴史だ」
「しかもロリだったのう」
「周りがロリの百合だ! とか叫ぶばかりで僕を元に戻す努力をしなかった時は本気で殺意が沸いたぞ。しかも勝手に名前つけられた」
「ド正義妹子ちゃん」
「やめろ!」
と、ド正義の黒歴史『妹子ちゃん事件』で盛り上がったり。
そんな中、邪賢王が新たな話題をふる。
「そういえば、"あいつ"はうまくやっとるかの?」
「あいつ? ‥‥ああ、彼か。理事長の仕事は上手くいってるみたいだよ」
「そうか。わしのところにはあまり連絡がこないんじゃ」
「彼はまだ若いからな。心配なのはわかる。僕だって心配だ」
「希望崎の理事長をやるなんて言い出した時は能力使ってまで止めようとしたしのう。あれがまだ一年前というのが信じられんわい」
「でも彼は立派に自分の職を勤めてる。もしかしたら今までの希望崎で一番平和かもしれない。色々とえげつないところもあるけど成果は出てるしな」
「えげつないというか‥‥あれはもはや鬼畜じゃ」
「‥‥まあ、皆からは慕われてるし」
弾んでいた会話が一瞬止まった。
その"えげつなさ"や"鬼畜さ"は、思い出すほどに恐ろしくなるからだ。
そこら辺の魔人より遥かに恐い。
ド正義と邪賢王にここまで言わせる希望崎学園の現理事長は、なんと人間だ。
しかし実力は確かだし、そのえげつなさや鬼畜さが今の希望崎に平穏をもたらしているのは事実。
自分達も今の希望崎に入りたいくらいだ、とさえ思う。
そして少しでも彼の力になりたい。もっともこんなことを思ってしまうのも彼の計算のうちなのかも知れないが。
「なあ―――」
と、ド正義が会話を続けようとした時だった。
喫茶店内のテレビから大地震でも起こったかのような警戒心を刺激する音がなり始めた。
一瞬にして店内の緊張感が高まる。
「あ、口舌院じゃ」
邪賢王が速報を伝えている女性キャスター口舌院言葉を見て呟く。
先ほど話題に出てきた口舌院一族を巡る騒動の中心にいた人物だ。今では人気の魔人女子アナとして有名になっている。
「口舌院君が速報をするということは‥‥」
「そうじゃな。かなりの大事件と見ていいはずじゃ」
口舌院言葉の能力『騙しの美学』は自身や仲間に向けられたあらゆる攻撃、能
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