第一章 A級風間隊
第三話 不安要素
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風間さんとバトル・・・
予想通り7対3で勝ち。
申し訳ないとは思わない。これから負けるかもしれないし。
ただ、不思議だな。
今まで霊力を感じて、敵の位置を把握していた。人間の生命エネルギーを感じるのは、難しい。
しかし、今は目をつむればスコーピオンの形までわかる。
トリオンと霊力は別物のはず。
「・・・攻撃の先読みか。確かに使えるな」
「あはは。どうも・・・・・・?まさか・・・」
私はあることに気づく。
この世界に来たときに気づくべきことだ。
「まさか、霊力がトリオンに変換した?」
あり得る。
それならトリオンを察知できるわけだ。今まで察知したものの訳だから。
代わりに霊力を失った。
「どうした?」
「私、元の世界に帰れないかもしれない」
「・・・どういうことだ」
風間さんに言ったどころで、何も変わらない。
言うべきか、言わざるべきか。
あ、菊地原まで来たよ・・・
「話せ。信じるかは後だ。」
「興味あるからぼくも聞くよ」
「好奇心は人を成長させる・・・はぁ」
この二人に口では勝てないな。
私は長くまとまりのない話を始めた。
「私の世界には霊力があるの。本でよくあるやつ。人間の生命エネルギーで、やれることは人間の延長線上までで、霊力を使いきれば死ぬこともあるわ。私は山ひとつぶんぐらい先の気配は読めるわ。この世界に来て霊力がトリオンに変わったけど・・・問題はそれじゃないんです。私がこの世界に来たとき、霊力の術にかかったんです。それでは異世界に飛ばせる訳がない。」
「じゃあ何故ここにいる。」
「魔法。霊力とは別物。別の器官から作られるもの。本にあるように不思議なことをやる力。あの術に魔法が干渉していた?」
菊地原は嘘を言っていないことが、わかるからこそ聞いた。
「だから何?第一魔法使えないの?」
「私はあくまでも霊力しか無理。魔法が使えたら、今ここにいないわ。自分で飛ばされる前に対処する。問題は魔法を使ったのは、こちらの世界の住人なら帰れるすべはあると考えてたの。」
「言うこと聞かずに帰してくれないかもよ」
「魔法で異世界に呼ぶなら条件をつけないといけないわ。もしこちらの世界の住人なら、私に何かしろと命じたり・・・」
その時点で風間さんが気づいてくれた。
「近界民・・・」
「そう。あなたたちの敵に、命令されたら聞かなきゃいけない。帰れなくなるから。私にはできないわ。霊力を使えば抵抗のすべはあるわ。しかし、今はない。私の世界のやつらが魔法を使った可能性は、珍しいわ。第一異世界に送るかしら?」
菊地原はその不安をかきけした。
しかもあっさり。
「まだいくつも可能性があるから、大丈夫でしょ?
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