暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1123話
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持つ事も出来たしね』
『面白い関係って……綾子、あんたね』

 凛の言葉に混じっているのは呆れ。ただし、こちらも笑いの感情が入り混じっているのは間違いない。
 何だかんだとあったけど、確かに悪い事だけじゃないってのは事実だろうな。
 そんな風に考えている間にも時間は流れ……やがて昼休みとなる。

「ね、ねぇ。遠坂さん。良ければ食事を一緒に……」

 昼休みになって、真っ先に凛に声を掛けてきたのはいつも蒔寺と一緒にいる、大人しい方の女。三枝由紀香とか言ったか? 
 凛に憧れているらしく、これまでも何度か凛を食事に誘ったりしている光景を見た事がある。
 ……もっとも、その全てが断られているのは哀れだけど。
 ただ、聖杯戦争中という事もあって、色々とタイミングが悪いのも事実だ。
 聖杯戦争終了後であれば……もしかしたら、一緒に食事が出来るかもしれないな。

「ごめんなさい、三枝さん。申し訳ないのだけれど、今日はちょっと美綴さんやアーク君と先約があるの。もし良ければ、また今度誘ってくれるかしら?」

 なんという猫の被り方。
 そう思ったんだけど……

「はっ、はい! その、頑張って下さいね! 私は遠坂さんが幸せになるように応援しています!」

 どうやら、話せただけで満足らしい。
 ……それ以前に、何か勘違いしていないか?
 話が微妙に噛み合っていないような気が……
 ただ、凛自体はそうでもなかったのか、笑みを浮かべてその場で別れる。
 あれが優雅って奴なのか。

『さ、行きましょ。衛宮君が待ってるでしょうし』

 念話でそう告げられ、俺と綾子も凛の後に続くようにして屋上へと向かう。





「お、お、お、遅くないか!?」

 ブルブル、と寒そうな衛宮。
 まぁ、素直に屋上で待ってたんだから、気持ちは分からないでもない。
 正直悪かったと思うけど、それを口には出さずに別の事を口に出す。

「さて、屋上に来て貰った理由だけど……綾子」
「ああ」

 俺の言葉を聞き、綾子が前に出る。
 まさか、ここで綾子が姿を現すとは思ってもいなかったのか、衛宮は混乱したように俺や凛へと視線を向けていた。

「おい、待て。何でここに美綴が……」
「残念ながら、話は後だ。お前もマスターならサーヴァントのステータスを見れるんだろう? それで見てみるといい。俺と……綾子をな」
「……え?」

 何を言ってるんだ。そんな表情で俺の方へと視線を向けていた衛宮だったが……俺を見たのはともかく、綾子の方へと視線を向けた次の瞬間には顔が強張り、驚愕で絶句するのだった。
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