Fate/stay night
1123話
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ろうとする衛宮を呼び止める。
その顔が俺の方を振り向く前に、口を開く。
「お前が昨日言った事……当然きちんと覚えているよな?」
「昨日?」
一瞬何を言われているのか分からない様子の衛宮だったが、すぐに思い出したのか、納得したように口を開く。
「慎二の件か?」
「そうだ。あのワカメが何かをしたら、その責任はお前が取る。そう言ったよな」
「ああ」
「……そうか。なら、どうやってその責任を取るのか、精々昼休みまでしっかりと考えておけ」
そう告げ、何かに気が付いたのだろう。衛宮が目を大きく見開いて、何かを言おうとするのを無視し、俺は教室へと戻る。
「おい。アークエネミーッ、一体どういう事だよ! 慎二が何かやったのか!?」
「その件に関しては、悪いが今は話している時間がない。昼休みまで待ってろ」
そう告げ、俺を引き留めようと伸ばしてきた手を回避しながら、衛宮をその場に残して教室へと戻るのだった。
『どこまで話したの?』
授業中、凛からの念話が入る。
まぁ、俺が教室に戻ってくるのと教師が教室に入るのは殆ど同時だったからな。
その結果、俺が衛宮とどんな事を話したのかというのは、結局言えないままだ。
その辺を気にしても当然か。
『どの辺も何も、あのワカメが問題を起こしたってのを匂わせてきただけだよ。あのワカメの責任は衛宮が取るって言ってたからな。詳しい話は昼休みに屋上でするって言っておいたから、悪いけど凛の他に綾子も一緒に来てくれ』
『わかった。まぁ、今回の件の被害者でもあるあたしが顔を出さない訳にもいかないしね。けど、衛宮にあたしの事を言ってもいいのかな? 一応あたしの件って聖杯戦争的には色々と不味いんだろ?』
『そうね。けど、衛宮君の場合は馬鹿が着く程のお人好しだし、大丈夫でしょ』
『それに、ワカメの行動は衛宮が責任を取るって言ってたしな』
『……何よ、アークエネミー。あんた随分と衛宮君に対してキツイわね』
どこか呆れた……より正確には疑問を持ったといった様子の凛の言葉。
それは俺も自分自身できちんと理解している。
けど……
『昨日の放課後、衛宮が止めなければワカメを聖杯戦争からリタイアさせる事が出来ていた。そうすれば、綾子も半サーヴァントなんて人の道を踏み外すような事はしなくて済んだんだ。人一人の人生を目茶苦茶にした責任ってのは大きい』
『アーク……』
呆然と呟く綾子だったが、やがて小さく笑みを浮かべているような感覚が念話を通して伝わってくる。
『確かにあたしは色々と人の道を踏み外す事になったかもしれない。けど、そんなに悪い気分じゃないよ。おかげで遠坂と本当に心を割って話し合う事が出来たし……それに、アークと面白い関係を
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