Fate/stay night
1123話
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…もしかして普段の凛と魔術師の凛は別人だったりしないだろうな?
凛の態度の違いに、思わずそう考えてしまった俺は間違ってはいない筈だ。
ともあれ、念話で話をしつつもHRは進み、そのまま1限目の授業も終わったところで……
「えっと、アークはいるか?」
そんな声が聞こえてくる。
声のした方へと視線を向けると、そこにいたのは衛宮。
どうやら柳洞から俺の伝言を聞いて顔を出したらしい。
……うん、いや。まぁ、分かってたけど、当然衛宮1人でセイバーの姿はない。
まさか、いざとなったら令呪を使って召喚すればいいと考えているのか?
確かにそれは可能かもしれないけど……いや、俺が心配する事じゃないか。
寧ろ、聖杯戦争の参加者としては衛宮には好きなだけ令呪を使って貰った方がいい。
ともあれこのまま放っておく訳にもいかず、チラリと蒔寺達3人と話をしていた凛と綾子の方へと視線を向ける。
『参ったわね。てっきり昼休みに来るとばかり思ってたんだけど。この短い時間だと最後まで話せないわよ? まさか、3人揃って次の授業を欠席って訳にもいかないし。……しょうがないわね、アークエネミー、悪いけど衛宮君に事情を簡単にでいいから話しておいてくれる? 詳しい話は昼休みに……そうね、屋上でって事で』
『正気か、遠坂。屋上ってこの寒い時期にか?』
『何よ、綾子は半分サーヴァントなんだから、寒さとかには強いでしょ。寧ろ、生身の人間の私の方が影響があるわよ。けど、万が一にも無関係の人に話を聞かれない場所となると、屋上しかないじゃない』
不服そうに告げる凛。
まぁ、確かに2月という寒い季節の中で、わざわざ寒風吹きすさぶ屋上に来るような奴がいるとは思えないけど。
春、夏、秋とかなら、まだ優雅に昼食をって気持ちも分からないでもないけどな。
そんな風に考え、凛に了解の意味も込めて頷きを返すと、席を立つ。
その際に、『うわっ、アークと遠坂が目と目で意思疎通してるよ』とかいう蒔寺の声が聞こえたけど……折角朝の状態から立ち直ったのに、また精神的にボコボコにされるぞ。
「ちょっと場所を移すか」
「分かった」
短く言葉を交わし、そのまま俺と衛宮は屋上へと抜ける扉のある踊り場へと移動する。
出来ればもっと近い所で話したかったんだけど、休み時間で結構人がいるからな。
そんな中で聖杯戦争云々って話をする訳にもいかないし。
「で、わざわざ一成に伝言してまで俺を呼び出したって事は、やっぱり聖杯戦争の件か?」
「ああ。ただ……詳しい話をするのに、この休み時間だと足りなくてな。悪いけど、昼休みに屋上に来てくれないか? 詳しい話はその時にする」
「……まぁ、いいけど。じゃあ、話がないなら戻るぞ?」
「待て」
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