外伝 シンフォギアG編
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…残酷だがこのまま変容が進んだ場合ミライくんと同じになってしまうだろう」
と言う弦十郎の宣告。
「よかった…」
「響っ!?」
「だって、それってミライちゃんを一人にしなくても良いって事ですよね?ひとりぼっちはきっと寂しいから」
「でも、それじゃ響は…」
「大丈夫。わたしが何に変わったとしても、未来とつないだこの手は離さない。この温かみを、わたしは覚えているよ」
「…私、嫌な事いうよ」
未来は涙を溜めて言う。
「うん…」
「私、それでも響が人間じゃなくなるなんて、イヤだよぉ」
「…うん。ごめんね?」
「うぁあああああああっ!」
泣きついた未来を響はあやしていた。
「翼、クリスも後で詳細なメディカルチェックを受けてくれ。この変貌が融合者だからなのか、適合者でも起こり得るのか、調べてみなければならない」
「はい…」
「おい、おっさん。なんとか、何とかならねぇのか?」
とクリスが懇願する。
「すまない…」
弦十郎は目を瞑り、そう一言だけ。その一言しか言えないのだ。
「クソっ!何でだよっ!なんでいつもあたしは…大事なものがこの手からすり抜けちまうんだ…」
「雪音…」
「とりあえず、ミライくんの事はこれ以上は本人が起きてみない事には分らん。皆心配だろうが、時を待つ他はない」
…
…
…
ゆっくりと目を開ける。
上体を起こすと心拍を計る幾つかのコードが外れた。
「ここは…」
タッタッタッタッタッといく人もの人物が駆けてくる音が聞こえる。
バシューと自動ドアがスライドし、中に入ってくるのは四人ほどの少女だ。
「ミライちゃんっ!」
栗色のショートの髪の女の子がそう言って彼のベッドへと駆け寄る。
「ミライ?」
ミライという言葉に反応の無い彼。
「まさか記憶が無いのか…?」
「そんなっ」
「そんな事って…」
青い髪の子と白銀の髪の子と続き最後は日本人特有の少女だった。
病衣のまま少女達と数人の大人に囲まれる。
「それで、君はどれくらい自分の事を分っている」
と、一際ガタイの良い大人が言う。
「殆ど何も。何でこんな病衣を着ているのか。君達との関係の一切がまったく分りません」
と言う言葉にその人、弦十郎と名乗った大人は答えた。
ここは特異災害対策二課の本部を兼ねている潜水艦の中。
そこでどうやら彼になる前の誰かは特異災害であるノイズと言う化け物と戦っていたらしい。
そして先日、ネフィリムと呼称される特異災害との戦いで力を振り絞り、その後気を失っていたようだ。
記録映像を見るとその彼は考え込んだ。
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