外伝 シンフォギアG編
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さらにギアが変化。どこか竜を思わせる銀色の甲冑へと変わる。
ミライの双眸は真っ赤に染まり、それはネフィリムの目と同じ様。
ミライがアームドギアを振り上げると体が宙に浮くようにしてエネルギーが可視化、それが何かを形作っていく。
最初は大きな肋骨の一部の様だった。しかしそれは次第に大きな骨格となり肉付き巨大な益荒男が現われる。
「なんだ…あれは…何なんだ、いったい…」
クリスの戸惑いの声。
ドクンと翼のギアが反応する。
「天羽々斬が反応している?まさか、あれはスサノオ神の顕現とでも言うのかっ!?」
ネフィリムをはるかに凌駕するその巨体。見下ろすようにネフィリムを睥睨する巨人。
その益荒男は腰に挿した日本刀のような剣を抜き放ち、振り上げた。
「ばかなばかなばかなばかなっ!そんな馬鹿な話があるかっ!」
ちゃっかり助かっていたウェル博士が驚愕の表情で現実を否定する。
現実を否定したいほど、その目の前の光景は異常であった。
「やめろっ…やめてくれ…、また私の前で大切な人を奪わないでくれ…おねがい…おねがい、します…」
しかし、翼の懇願は届かない。
キュイーーーンっバシュっ
放たれた三射目。
スサノオの方が巨体な為に上方に向かって発射されたそれを左手に表した盾で横殴り、軌道をそらせた。軌道のそれたそれは大気圏を超え、宇宙へと放出される。
「ああああああああああああああっ!」
ミライが気合一閃と自分の右腕を振り下ろす。
その気合に呼応するようにスサノオは振り上げた右腕を渾身の力で振り下ろした。
プチっと潰されたのではないかと思われるほどの圧倒的な蹂躙。
巨刀は容易くネフィリムを両断し、また粉みじんに吹き飛ばしていく。
「ミライーーーーーーーーーーーっ!」
全てが吹き飛ぶそのさなか、巨人の鎧の消え去ったミライも一緒に吹き飛んでいった。
「あああああああっ!」
黒く染まりかける響。
「立花っ!」
「ううううううっあああああああっ!」
「おまえは、今はそんな事をしている場合じゃぁないだろっ!」
翼とクリスが左右から黒く染まりかけた響を押さえ込む。
「まだミライが死んだと決まったわけじゃないのだぞ。一刻も早く助けるんだっ」
「っ……」
涙が頬からとめどなく流れ、響はようやく正気に戻ると、居ても立っても居られないと爆心地へと駆けた。
「あ、おいっ!」
「私たちも行くぞっ」
「分ってるよっ」
翼の響への鼓舞は半分以上は自分に言い聞かせたもの。翼だってショックは受けているのだ。だが、それ以上に泣いていた響を気にかけることでどうにか踏みとどまっただけなのだ。
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