月下に咲く薔薇 14.
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えるが、彼女とて、今すぐにでもダイグレンを動かしタケル達の援護に回りたいとの衝動には駆られている筈だ。
「待ってろよ! タケル! 黒の騎士団!」
走りながら叫ぶキラケンの背を、マリンが後ろから優しく叩いた。
次元獣にはライノダモンの上位種としてディノダモンという希少種が存在する事を、ZEXISは把握している。今やディノダモン程の脅威ではないとしても、手負いのライノダモンが如何に凶暴でこちらの攻撃を受け付けなくなるかは嫌という程学んできた。
追いつめられる程、ライノダモンは強くなる。一刻も早くタケル達に合流しなければ。
奴が底力を奮いDフォルトを手に負えないレベルまで強化する、その前に。
ガンダムマイスター達と共にトレミーに搭乗し、クロウも愛機に乗り込む。ブラスタの発進準備を進めていると、スメラギからの通信が入った。
『トレミーから各機へ。もう一度伝えます。まずは、母艦3隻で選抜したパイロット全員の収容を急ぐわ。終了後、トレミーとマクロスクォーターは、順次迎撃機の発進を開始。パイロットを収容後、ダイグレンは先行して突進をかけ、ライノダモンを崖の端まで押し出して。ダイグレン搭載機の発進は、ライノダモンの固定中に。全迎撃機が揃ったところで、一気に海中戦に持ち込んでちょうだい。夜間だと難易度が上がるわ。ブルダモン迎撃機は、細心の注意を。いいわね?』
プランの確認をする戦術予報士に、クロウは「勿論だ」と答えた。「次元獣との水中戦は余り経験がないんでな。たっぷりとデータを取らせて貰う」
意気込みを金への執着に変換し、ブリッジに発進する事を告げる。
「クロウ・ブルースト、ブラスタ、発進する!」
ガンダムマイスター達の機体よりも早く、ブラスタはトレミーから射出された。
基地の都合上、全てのZEXIS艦艇は滑走路と平行になるよう停泊している。ブラスタは離陸機同様に一旦バトルキャンプの敷地外まで運ばれた後、旋回し現場へと向かう。
そのクロウが、滑走路を歩く巨大な人型艦を追い抜いた。
月光で、赤い機体、いや船体が暗色に近いものとして浮かび上がっている。
いい加減見慣れても良い時期なのに、やはりその大きさに圧倒される。何しろブラスタの飛行高度に、顔形状の胸部があるのだから。当然、ZEXISが擁する3母艦の中でも最大の大きさを誇っている。
その艦は、歩いていた。ブリッジを組み込んだ上半身と船底から生えた2本の足を持つ、歩行する陸上艦ダイグレンだ。
スーパーロボットさえ掌に乗せる事の可能な人型母艦は、短い足をものともせず加速しライノダモンに突進してゆく。
胸の両目から放たれる光の線が、急速に短くなっていった。
光は照らし出している。夜戦を挑んだ次元獣の顔を。
前方に突き出したライノダモンの赤い角が、俄に形を歪め4
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