月下に咲く薔薇 14.
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人の全身から漲るものを目にするだけで出撃の喜びに高揚しているのだとわかる。
守勢が続いていただけに、竜馬達なりに一矢報いてやりたいのだろう。強い火力を秘めた彼ららしい気配だ。
「子供達は?」
隼人が武蔵に尋ねると、3人の中で最も背の低い大柄な男は、「ロジャー達に任せてきた」と上の階を指した。「俺達に出ろってのは、スメラギさんの指示だぜ」
「出撃メンバーも選抜済みらしい」どこかしら野生の獣を連想させる竜馬が、ここで合流した顔ぶれを確認してから、ハンガーの方へと顎をしゃくった。「見たところ、ここにいる全員が選抜メンバーか。時間がもったいねぇ、急ぐぞ!」
「ああ!」
地下に潜る直前、屋外で数秒程眩しい光が満ちた。
あれは、重ねた腕の先からガイヤーが放つエネルギー衝撃波。シンクロする生者と機械が敵に向かって放つ、怒りの矢だ。
直後、半円状の鮮やかな多色光が暗中に瞬く。
タケルの放つ攻撃は、その防御を貫き敵の装甲皮にまで到達した。
ライノダモンが、強者の仕種で身じろぎをする。目障りだと言わんばかりの。
もし、敵に面の攻撃を仕掛けた場合、最下位の次元獣ダモンならば、もんどりうって倒れる場合もある。
ただ。ガイヤーの相手は、次元獣の中で唯一の四つ足と些か組み合わせが悪い。
ライノダモンは猪によく似た体型の次元獣で、尾は短く背中に長短10本以上の角を生やしている。全高は40メートル近くとガイヤーの2倍以上、体重差に至っては3倍以上もある。
その敵に、タケルは点に働くエネルギー衝撃波を見舞っていた。
装甲皮付きの短い足が踏ん張ってしまい、猪を思わせる体躯の次元獣は低重心故、容易に踏み留まる。
勿論、何故そうなったのかをタケルも理解している。足が止まれば良し、自分に注意が向けば良しとの判断で動いている為、乱発が可能な武器を選択しエネルギーの温存に努めているのだ。
ガイヤーは、ギシン星人の血を引くタケルの専用機で、ギシン星人の敵機同様件の星の技術によって造られている。他に、地球の神々の名を持つ5機のロボットが存在し、タケルのテレパシーを感知し自動でタケルを支援する。
赤と白に彩られたロボットのサイズはMSとほぼ同じだが、他の5機と合体するとトライダーG7・クラスの巨大ロボットにサイズ・パワーの両方を上げる事ができた。
その六神合体と呼ばれる6機合体を敢えて自粛している理由も、長期戦を覚悟しての判断と関係がある。
「空中から攻撃するのはタケル1人か。…きついな、これは」
戦況は気になるものの、覗いている時間すら今は惜しい。クロウが眺めていても、タケル達の助けになる事など一つもないのだから。
重要なのは、迅速な戦力の追加だ。その為に、敢えて愛機と合流する事だけに集中する。
基地の地下機能は盛んに動き始
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