月下に咲く薔薇 14.
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」
クロウ達にも聞き取る事ができるよう、ロックオンが強調しながら把握したばかりの内容を大声で繰り返した。
「今回は流石に複数投入してきたか」隼人が敵の構成に触れながら、ふんと小さく鼻を鳴らす。「だが、少しばかり控えめな編成だな」
「俺もそう思う」クロウもまた、隼人の意見に同感だった。「奴らにとっちゃ、ここは目障りな敵の最重要拠点だ。基地には、母艦とロボットの全てが集結してる。もし、本気で潰そうってんなら、ディノダモンまで投入して一気に片を付けるのが普通だろ。…何を考えてやがる? インペリウムは」
「俺達を殺す気がない? …まさかな」アイムの残忍さをよく知る隼人だからこそ、手抜きの意図には鋭く反応する。「こういう場合、誰を陥れる為の隙なのかが問題だ。ZEXISか、或いは…」
オズマからの緊急連絡を伝えようと、ミシェルが声を張り上げる。
「みんな、聞いてくれ。今、タケルがガイヤーを呼んだ。クラッシャー隊のコスモクラッシャーだが、次元獣が滑走路に出現する方が早かった為、残念ながら今は待機中。代わりに、ダイグレンから黒の騎士団のKMFが5機出る」
「そうか。さっき玉城達が艦の見回りに行っていたな」
「ああ」基地への帰還時を思い出すクランに、ミシェルが頷いた。「とにかく地下伝いに歩くしかない。何とか自力で母艦に近づこう」
「ハンガーまで行ったら、その先は全力疾走だな」ロックオンも通信を切り、ジェフリー達の案を押す。「俺達が地上を走るのは、どうにもできない距離だけだ。何とかして、1人も欠けず母艦まで辿り着こうぜ」
ロックオンが指を立てると、ミシェル、クラン、隼人が頷いた。クロウもまた相槌を打ち、全員が階下へと走り出す。
バトルキャンプは、外観からはかけ離れた地下主体の基地構造を持つ。岬の内部は大きくくり抜かれ、岩盤の外装の内側に強固な要塞が建造されていた。
崖面にコスモクラッシャーの発進口がある事でもわかる通り、クラッシャー隊の戦闘機は通常地下に格納され、搭乗、発進時の危険度を大きく下げる事ができる。
また、発進口の異常に備え、地下から地上の滑走路に機体を送り出し地上からコスモクラッシャーを離陸させる事も可能だった。全ては、地下での横移動を重視した構造の成せる技で、クロウ達はその恩恵に浴するつもりで地下を目指す事に決めたのだ。
バトルキャンプにある地上施設の中で母艦3隻に最も近い位置にあるのは、戦闘機用のハンガーだ。そのハンガー下まで地下を進み、施設の端から各自愛機を預けている艦に自分の足で向かう腹づもりでいる。
地上を走る事になる距離は、実に300メートル以上。タケルと玉城達に生身の背中を預けた、正に命懸けの疾走となる。
クロウ達が1階まで降りると、地下階の入り口で竜馬と武蔵が待っていた。殊更笑っている様子はないが、2
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