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『珍』守府へ、ようこそ
○○三 はじめての建造
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艦…つまりは軍艦。それらが擬人化し、女の子となった者が、艦娘。
それを二言で理解した提督もどれほどのものなのだろうか…

先ほどまで仲良く寝ていたとは言え、本当はまだ会って数時間。それもまた、艦娘だろうと、一人の女の子である。
ぎこちないにも程はあるが、これは仕方無いと思われる。

板を両手で抱えて指令はまだかと首を傾げは提督を見ての繰り返しの電を苦笑でどうにか持ちこたえようとする提督。
ここで、真っ白だった脳みそが色素を戻したのか、

「それで、その建造は何処でするの?」

待ってましたと言わんばかりに表情を明るく見せて返事する電。

「こっちなのです!」

「おっ、まっ! 引っ張らないで!」

流石艦娘、力が強いのか。自分よりも明らかに大きい男性を引っ張って引きずるとは…
電に引き摺られて司令室から消えて行く提督の姿がそこにあった。白い海軍服が汚れなければいいのだけれど。




■■■




連れて来られたそこは、あの綺麗な花壇を右に曲がり、三つある繋がった建物の真ん中の扉だった。
扉を前に提督は、地べたに胡座をかいて座り、摩擦で火傷でもしたのか膝を摩っている。そんな提督を見て電はあせあせと効果音の出てきそうな勢いでペコペコ頭を下げている。

扉のもっと上に、大きく『建造』と書かれた札が無造作に打ち付けられているその建物は、文字通り建造をする為の建物らしい。

その左右の建物にも同様、『開発』、『改修』、と…

「うぅ…ごめんなさいなのです…」

「いいよ、張り切ってたんだもんね。うんうん」

立ち上がり、ペコペコと下がる頭に手をのせてそう言う提督は、次のセリフを吐いた。

「艦娘もやっぱり、鉄とか使うの?」

「はいなのです!んっしょっ…」

何処からか取り出した、小さな液晶タブレット端末にも見えるそれを提督に見せ、電は言った。

「これに映ってるのが資材と量なのです」

「妙にハイテクなのね…」

液晶に映る文字と数字。

基本資材
燃料:180
弾薬:180
鋼材:180
ボーキサイト:180

特殊資材
開発資材:5
高速修復材:3
高速建造材:3
改修資材:0

「あ、寝てたので資材がちょっと増えてるのです」

にへぇと笑う電に、そうなのか、と戸惑う提督。

「中に入ったら、多分、妖精さんが走り回ってるのです。なので、話しかけて、建造を頼んで欲しいのです!」

妖精と言う単語にまたまた理解を損ねる提督はとりあえずと扉を開けた。

電が言っていた通り、電よりも小さい… 妖精さんが何やらダンボール箱を持って駆け回っていた。
妖精さんから一度目を離し、周りを見てみれば、外見とは異なる広さの間取り。天井
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