暁 〜小説投稿サイト〜
茂みの声
5部分:第五章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後

第五章

「こんなおかしなことにはな」
「そうなるか」
 天野が最初に原田のその言葉に賛成した。
「この話はな」
「納得できないけれどね」
「だから。納得できるものばかりじゃない」
 原田は今一つわからない顔で首を捻る福田に対してまた言った。
「何でもな。何かそう思えてきたな」
「そういうものなのね。結論としては事件が解決したからいいってことになるのね」
「そういうことになるな。まずは一件落着か」
 天野が今の福田の言葉に頷く。
「ただ。またしようとは思わないな」
「止めておくべきね」
「俺もそう思う」
 これについては二人も止めたのだった。
「今度は何を録音するかわからないわよ」
「もっととんでもないものかもな」
「そうだな。この話だってなかったことになってるしな」
 放送部どころか学校全体であれこれと言われているが表向きはそういなっていたのだ。三人も集まればこうして話をするがそれでもだった。
「止めた方がいいな」
「麻奈純君の意見に賛成」
 二人の結論は変わらなかった。
「功成君もでしょ」
「ああ。それを聞いて正気でいられるとは思えないしな」
 天野も呟くようにして結論を出したのだった。
「止めておくか」
「世の中には訳のわかることだけがあるんじゃない」
 天野はこのことをまた二人に対して述べた。
「訳のわからないこともある」
「聞いてはいけないこともある」
「なかったことになることもね」
 三人の言葉が続いた。
「それに巻き込まれないようにする為にもな。止めておくべきだ」
「正直今回麻奈も怖かったわ」
「妖精もいい奴ばかりじゃないみたいだしな。世の中は一つだけじゃない」
 原田のこの言葉が結論になった。天野も福田もこの結論に対して何も言えなかった。言えずに天野が話を変えてきたのだった。
「そういえばだ」
「どうした?」
「高寺先生やっぱり顧問首になるらしいな」
 このことに話を変えるのだった。聞いていい話に。
「校長先生から色々行動を改善するように言われても全然聞かなかったからな」
「確か毎日学校に寝泊りしていたんだっけ」
 福田が呆れた声で尋ねてきた。やっとという感じでクロスワードを出しながら。
「ずっと仕事していて」
「何でも他のクラスの授業や教育にまで口出ししていたらしいからな」
 天野がこのことを言った。
「しかも全学年の全クラス、全生徒に対してな」
「おまけに全教科でだろ」
「ああ、そうらしいな」
 原田に対しても答える。
「それでいつも不眠不休だったらしい」
「それって幾ら何でもまずいんじゃないの?まあまずいから顧問首になるんでしょうけれど」
「顧問だけじゃなくて学校からも左遷らしいな」
 天野は今度は福田に述べた。
「教育委員
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ