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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
相対する者
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死な表情のまま、彼は叫んだ。

「あんな奴がいるなんて聞いてないゾ!!!」

 通路を駆ける音をフラダリは耳で捉える。

(先ほどの子供……?)

 それ以外には考えられないが……嫌な予感がする。
 クセロシキは今何といった?『あんな奴』がいるなんて聞いてないと言ったのだ。ならばあの二人の子供ではない。
 では全く別の第三者か?
 いや、それはない。情報無しでアジトの場所を知ることなど出来ないはずだ。
 そこまで考えて、フラダリは気づく。

 いるじゃないか。

 一人、まだ姿を見せていない登場人物が。
 光に照らされ徐々に輪郭が明らかになる。その姿が完全にハッキリする頃にはフラダリの中でほぼ確信が芽生えていた。

「ふう。どうやら間に合ったらしい」

 噂の『彼』。
 ーー即ち背中に女の子を背負い、キノガッサを従えた帽子とリュックサックを持っている少年のことである。


「ハルカ……助けに来たぜ」


 彼の名はユウキ。
 ハルカが信じ、探していたその人だ。
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