暁 〜小説投稿サイト〜
茂みの声
1部分:第一章
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もその言い方はないだろ」
「だって功成君っていつも簡単に騙されたりやはりそういうことだったかって言って全然話が違っていたりしてるから」
 福田の言葉は容赦がない。
「あてにならないのよ」
「幾ら何でも御前に言われたくはないんだが」
 天野も天野で福田に対して反撃する。
「一回でもいいからまともにクロスワードパズル解け」
「麻奈クロスワード得意なのよ」
「何処がだ」
 天野は福田の今の言葉を即刻否定した。
「毎回毎回俺か原田が全部答え書いてるじゃないか。この前なんか静脈が筋肉だとか書いていたよな」
「そうだったっけ」
「そうだ。それで行ける高校あるんだろうな」
「一応。それは安心していいから」
「全くそれでだ、原田」
 福田との話が一段落したところで原田に顔を向けてまた声をかけた。
「御前は反対か?」
「何もないと思うがな」
 原田は腕を組んで天野の言葉に答える。
「それでもな。やるのはただだしな」
「いいか」
「これで部費がかかってたら絶対駄目だな」
 そこははっきりと言い切るのだった。
「ただでさえこの写真部予算の使い方が滅茶苦茶だって言われるからな」
「高寺先生のせいじゃない」
 福田はここでその顔を少しむすっとさせた。それでも携帯をいじっているのがどうにも不真面目な態度に見えて仕方がない。
「変なところに予算注ぎ込んでそれが今までの部費の二倍じゃない。スケジュールの管理も先生が全部やるのはいいけれど毎回毎回ギリギリ越えてるし」
「何であんな人が顧問なんだ?」
「校長先生の制止を振り切って強引になってるんだよ」
 原田はうんざりする顔で天野に答えた。

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