序章
第1話 嗚呼、懐かしきかな子供時代
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うだね」
「で、どこ行くんだっけ?」
「公園行って、ケーキが食べられるところに行きまーす」
「無難だね」
「じゃあ、アマゾ…」
「いいコースだと思うなぁ。うん、楽しみだね!」
この人、イジられキャラだと思ってたけど時折重い反撃が返ってくることがここ一年で分かった。しかも、天然に近いというある意味性質の悪いタイプだ。
「それはそうと、ちぃさんそのカバンは何?」
「え゛?」
あ、固まった。
「何?」
「えっと、それはそのぉ…」
そのサイズのカバンに入るものと言えば…
「ビデオカメラとか?」
「ギクッ!」
ギクとか言う人初めて見た。
「こ、これは、朔也の公園デビューを記録して欲しいなんてお姉ちゃんに頼まれたわけじゃないんだよ!?」
あぁ、テンパってバラしちゃったんだ。しかも何故疑問系?しかし、わが母たる東堂千春(27)は何者なのだろうか。無駄に廃スペックなちぃさんがここまでおびえているとは。
「ああ、うん。それは仕方ないね」
「そうだよ、お姉ちゃんからの命れ…じゃなかった『お願い』なんだから仕方ないんだよ!」
ちぃさん、今命令って言おうとしてたよね?百歩譲って言い直したとしてもその『お願い』の単語の強調でフォローできてないよ。
「…なんかもうどうでもいいや。早く行こうちぃさん」
「応ともさ!『翠屋(・・)』が私を待っているぅぅぅぅぅ!」
「うん、張り切ってるのは分かったからちゃんと鍵閉めてから行こうか?」
「あ…」
本当になんとも締まらない人だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ちぃさん、コレどうすればいいと思う?」
「さすがに私もこの展開は予想してなかったなぁ」
アレからしばらくして公園に着いた。うん、着いたんだ。着いた、まではよかったんだけどさ…
「テメェ、俺のなのは(・・・)になに手ぇ出そうとしてんだ!」
「うるさいさ、何が“俺の”さ!人は物じゃないんさ!」
「2人とも、ちょっと…」
公園についてまず目に入ったのが一人の女の子を取り合う男子2人ってどうなんよ?
「何、正論ぶってんだモブが!」
年不相応なイケメン顔の金髪オッドアイと、
「正論ぶってんじゃなくて正論さ!」
さっきから聞き覚えのある“〜さ”が口癖の若干ノッポ気味の赤毛少年と
「あぅ」
真ん中で右往左往している栗毛のツインテールの女の子。
「ふむ、なんか俺の公園デビュー以上に面白いものが取れそうだね。ちぃさん?」
「うんうん、同感同感」
とか言いながらもうすでにちぃさんカメラ回してるし。
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