第七話「大陸の猛者」
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て言うじゃない?」
「そう、それじゃあ……」
「ついてきて?」
次へ向かおうとしたが、再び彼女に手を引かれてどこかへ連れて行かれた。
「暴力団の事務所ってここ?」
と、かつて駄菓子屋があった場所へ向かわされると、指をさして尋ねてきた。それに俺は恐る恐る頷くと、彼女はISを片腕だけ展開しだした。も、もしや……?
――コイツ、開き直ってねー!?
そして、目の前に小さなキノコ雲が浮かんだ。それと同時に頬に傷をした怖いオジサンたちが俺たちを追い回してくる。
「どうしてこうなるんだぁ〜!?」
死に物狂いでどうにか抜け出した俺は、凰の隣で息を切らしていた。こういう時に弥生は何してんだよ!?
だが、突然暴力団はピタリと止まった。後ろだけ時間が止まったかのように見えた。
――弥生?
そのまま俺たちは安全な場所まで逃げ延びた。
「大丈夫?」
と、平然とした凰が俺に尋ねる。
――大丈夫じゃねぇよ!?
しかし、俺は口でこたえることはできずに未だ呼吸を荒げていた。
「大丈夫みたいね? それじゃ、次行きましょ! 次!!」
また、凰は俺の手を掴んでどこかへ連れ出す。次はどこへ行こうとしているんだ?
「……公園?」
彼女に連れられた次なる場所は公園だった。しかし、近頃の公園とは違ってあるものといば、滑り台かシーソー、ブランコといった一般的な遊具だけである。しかし、ここもまた人が訪れない場所ゆえに遊具は所々に錆びついている。
「一夏と、一緒に遊んだ公園なのか?」
と、俺は先読みして彼女に尋ねた。
「ええ、そうよ?」
「だが、ここも人はいないな?」
「まーた『白騎士事件』がって言うんでしょ?」
凰も、先読みして俺に尋ねる。まぁな、大抵はその理由が正しい。
「エリア17は、大抵『白騎士事件』や『女尊男卑』の影響でこうなったわけだよ?」
「男が言うような理由ね?」
「じゃあ、お前さんはどういう理由だと思うんだ?」
「男共が、各地で反IS運動をしたり、それに乗じたヤクザやテロリストが群がってこうなったんじゃない?」
「いや、それってもろIS絡みじゃん?」
ため息をついて近くのベンチへ腰を掛けた。
俺は、先ほどから彼女に振り回されているばかりだが、今度は俺が彼女に何か質問しようと思った。
「なぁ? 鈴音さん……」
「凰でいいわよ?」
「じゃあ、凰さん? 一つ聞いてもいいか?」
「なに?」
「……どうして凰は、IS操縦者になったんだ?」
「え?」
「だって、別にISに乗らなくても一夏に会えるんじゃないか?」
「……」
すると、彼女は黙ってしまった。何か気に障るような事でも聞いてしまったのか、しかし彼女はしばらくしてから口を開けてくれた。
「……強くなりたかった、かな?」
「強く?」
「アタシね? 両親が離婚してさ
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