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逆さの砂時計
策定
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界がある。
 レゾネクト達が私達を常に見張っているとは考えにくい。
 だからこそ『扉』のマリアさんには、彼女が実体化したとレゾネクトが気付く前に、できるだけ早く持たせたほうが良かったのだが……
 相手は特性不明の魔王。気休め以上の働きは期待しないでおく。

 【第七条件】
 アリアの信奉者を増やしてはいけない。
 これはかなり難易度が高い。
 私達でどうにかできる範囲を逸脱してる。
 無闇な干渉は逆効果になるかも知れないし、気に留めないでおこう。

 ここまでの情報で割り出すなら。
 【勝利条件】は、アリアの奪還か、レゾネクトの死亡。
 【敗北条件】は、『創造神アリア』の完成か、レゾネクト本体の帰還。
 加えて、クロスツェルさんを含む私達の全滅。

 なんとも解りやすく難題だ。

 『アリアが目の前に現れてくれない』

 この一点が、難易度を異常なまでに上げている。
 これさえ突破できれば、いくらでも手段はあるのに。
 この一点だけで、私達は手詰まり状態。
 しかし、早くここから先に進まないと、私達が敗北してしまう。
 こういう時は……やはり、()()しかありませんか? 師範。



「要するに、アリアを引きずり出して捕まえれば(おおむ)ね解決するんですよね」

 摘んだばかりの実を手のひらで転がしながら立ち上がって。
 真横に立つベゼドラさんを見上げる。
 何を今更と、振り向いた紅い目が鋭く細められた。

「それができないから捜してんだろうが」
「そうですね。じゃあまず、捜すのをやめてみましょうか」

 ピシッ! と、空気に亀裂が入る音が聴こえた。

 すごい。
 北国でもないのに氷点下体験だ。
 マリアさんまでが、目を真ん丸にして固まってる。

「ふざけてんのか?」

 黒っぽい肌に影が射して、険悪な顔を一層凶悪に彩る。
 獰猛(どうもう)な獣って表現が、よく似合いそう。

「いえ。闇雲に捜し回っても時間の無駄だから、捜すのをやめるんですよ。制限が無いとか余裕がある場合ならともかく、無駄な手間は省くべきです」
「……考えがあってのこと、なのね?」

 マリアさんが軽く首を傾げて私を見上げる。

「考えというか、少なくとも乱雑に歩き回るよりは、相手方の動きに変化を望めるんじゃないかと。その代わりベゼドラさんには相当頑張っていただく必要がありますけど」
「アリアに会えるなら何でもするが、それこそ無駄に終わったら殺すぞ」
「自ら手駒を減らすような失策はおすすめしません。物は試しです。必死で頑張ってください……って、ああ。その前に確認ですが、ベゼドラさんは、単独でもアリアを捕まえられますか?」
「見える範囲に居れば十分だ」
「それは
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