Fate/stay night
1122話
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凛の腹は別に贅肉があったようは思えないけどな』
手で何度も撫でた凛の腹の感触を思い出していると、不意にゾクリとしたものを背中に感じる。
それこそ、念動力が危険を教えてくれているかのように。
その視線がどこから向けられているのかというのは、すぐに分かった。
ニッコリと……それはもう、満面の笑みと呼ぶべき表情を浮かべて俺の方へと視線を向けていてる凛の姿があった為だ。
ただし目は全く笑っておらず、殺気すら篭もっているかのような視線を俺の方へと向けている。
『アークエネミー……そう言えば、私って何だかんだと令呪を使った事がなかったんだけど、よければ使ってみてもいいかしら? 具体的にはアークエネミーが死ぬ程恥ずかしい思いをするような命令を』
「待て」
凛の言葉に本気を感じ、思わず念話ではなく口で待ったを掛ける。
間違いなく……そう、今俺が何かを言わなければ、間違いなく令呪を使っていた気配を感じ取ったからだ。
『アーク、女に贅肉の話とか、少しは女心を考えた方がいいぞ? それに、あたしが昨日触った感じだと、遠坂の身体は別に贅肉とかが殆どない鍛えられた身体をしてたし。……その分、胸の方もちょっ残念な感じはしたけど』
『おほほほほ。何か言ったかしら美綴さん?』
綾子から美綴になっているぞ。
とにかく、俺の発言は色々と致命的なようにも見えたけど、取りあえずはスルーされる事になったらしい。
まぁ、『今は』という言葉がつくが。
周囲からの色々な視線を向けられたまま、俺達3人は自分のクラスへと向かう。
その途中でも廊下で色々な視線を向けられていたが、それは既に気にしない事にした。
何せ、凛と一緒に暮らしているという話が広まっている以上。嫌でもその辺の注目は浴びるのだ。
そこに暫くの間だけではあっても、綾子も一緒に暮らしているという話が広まれば、間違いなく俺は嫉妬の視線を向けられる。
凛もだが、特に綾子の場合はその立ち居振る舞いから女にも人気があるって話だし。
「ほらほらほら! やっぱり遠坂と美綴とアークの3人が一緒に登校してきてる! あの噂は間違ってなかった!」
俺達が教室に入った瞬間、色黒の女子生徒の蒔寺が周囲に響けとばかりに叫ぶ。
本人としては、近くにいる2人の友人に対して言いたかったんだろうけど……
「蒔寺さん、私がどうかしましたか?」
「ふむ、私もその辺は聞かせて貰いたいな」
凛と綾子の2人が、それぞれ笑みを浮かべたまま蒔寺へと近寄っていく。
「あ、いやその……な、何でもないって。うん、ただちょっと気になった事があっただけだから! 遠坂とかは何もないから!」
「あら? だって今私の名前を口にしたでしょう? それなのに何もないってのは……」
「そう
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