第3章 リーザス陥落
第58話 守りたい者、譲れない想い
[9/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
今後の事、今回の事、そして顔合わせを含めて。まだ、作戦会議は行ってない様だが、司令本部にはリーザス軍の主力が揃っているから。
「……でも」
「ん? どうかしたの? かなみ」
「う、ううん。なんでも……」
「?」
志津香は、少し気になった様だがそこまで言及はしなかった。
「(……メナドの言葉が、ちょっと気になる。よく、覚えていないから……。ま、まさかだけど……、メナドも……ならないよね? ゆ、ユーリさんの事を……)」
かなみが思っていたのは、メナドが倒れる前に言っていた言葉。
「(以前、何かって言ってたっけ……? 一体なんだったっけ……。私、あの時結構いっぱいいっぱいだったし……)」
思い出そうとしても、中々思い出す事が出来なかった。ただただ願うのは、親友が恋敵にならないで、と言う事だった。
親友であるメナドとそんな関係になるのは……流石に嫌だったから。
〜レッドの町 リーザス解放軍 司令室〜
町長の屋敷がこの町で一番の大きさであり司令室にする場所として最適だと思えるが、ヘルマン軍達が、防護壁の変わりと、屋敷周辺に大きな溝を開けた事もあり、色々と不便だから、別の場所にしていた。レッドの町の中では、かなり大きい方の建物であり、恐らくはヘルマン兵達の休養所にでもしていたのだろう。
医療具も揃っていて、傷ついた洗脳兵達を介護する場所としても最適だった。……流石に、全員を収容するだけの大きさは無かったが。
「……これで、黒、白、赤の3人の将軍。その副将達も殆ど揃ったか。世界でもトップクラスの軍達の将達か。……壮観、だな」
ユーリは、揃っている男達を見てそうつぶやいた。
「これもユーリ殿のおかげです。……深く感謝しています」
比較的、傍にいたエクスがユーリに頭を下げた。それを聞いたユーリは、軽く笑うと。
「……なに。オレだけじゃないだろう? それに間違いなく、一番の功労者はマリアだ。……レッドの町の解放の一手は間違いなくアイツのチューリップに決まりだ。……正直、あれはあれで対人兵器じゃないって思ったよ。攻城兵器って言った方が良い」
「それについては、僕も同意見です。ヘルマン軍は、身体の大きさに合わせて、装備も通常よりも強固な重装備ですが……意味を成さなかったですから」
エクスもユーリの言葉を聴いて苦笑いをしていた。間違いなく、歴史に名を残す兵器となるだろう、と思える程の物。それが、何処かの軍に所属している技術者ではなく、カスタムの四魔女とはいえ、殆ど一般人の女性なのだから、末恐ろしくさえ思える。
「……ユーリ殿、それでも私からも礼を言わせてください。……皆を、メナドを、ありがとうございました」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ