第3章 リーザス陥落
第58話 守りたい者、譲れない想い
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どうにかなるとは思っていないが、何か、思う所があるのだろう。
その理由に関しては決して口に出さないのだが。
「……鍵は、リーザス王家の生き血。《カオス》を得る為に必要だ。調べて判った事だ。絶対に殺すな、と改めて伝えろ。……拷問をしている者共に。殺したければ、姿を消した王族をやらを探してこいと。……無論、聖武具を見つけたあとでな」
「……判ってる」
今のサテラこそ、適当に相槌をうっている様に思えるが、今は良いだろう、とノスは判断した。
「町の1つ、2つ程度であれば、焼いても構わぬ。聖武具を持つものをあぶりだせ」
その言葉を訊いたサテラ。それは頷く事はなかった。
「……だが、あの方も並行して探してるんだ。人間の街を荒らしすぎるわけにはいかない」
「ぬ……あのお方、か……」
わからぬ自身の感情を見つめ直しているサテラだったが、そんな中でも 決して曲げる事の無かったのが、その任務だ。
「ああ。魔王様。……リトルプリンセス。サテラには、誰よりも大事、だろ。ホーネットも望んでいるんだ」
未覚醒のまま逃亡中である現魔王。彼女を確保することは、正当な魔王を奉じるホーネット側の魔人には、至上命令と言えたのだ。だからこそ、自身の事は、とりあえず二の次なのだ。
「……そうだな。魔王は、全てに優先される」
頭巾に隠されたノスの眼光が一瞬鋭さを増す。
「その、聖武具に関してはサテラも探している。……名前がわかれば、と思ったが、ラ、だけじゃ流石に無理がある。人間の数が多すぎるんだ」
「見つからんでは、済まされぬ。……あらゆる手を使え」
「……けど情報がない。王女からも、もう望みも薄いし」
ここ数時間に渡って、色々と考え込んでいるサテラ。真面目に尋問などしていないのに、すらすら〜とそう言えるのは、どういう事だろうか?
「(……シーザーに頼んでいるから大丈夫なんだ!)」
……と、言うことだった。
そして、この場に新たな来訪者が現れる。
「それは、ランス……のことでしょう」
金色の髪を靡かせながら、歩いてくる男。魔人アイゼルである。
「アイゼル。……どこに行ってたんだ? それに、らんす?」
「無理、戦場に。……色々とありましてね。恐らく、ですが ラ、から始まる名であり、聖武具を持つ可能性が高いのは、彼でしょう」
アイゼルは、そう言う。それを訊いたノスは。
「聖武具は? あったのか?」
「いいえ。すれ違った程度ですので、そこまでは……」
僅かにだが、表情を顰めているアイゼル。その姿とサテラの状態が、僅かにだがかぶって見えた。
「おや、サテラは 訊いてくる、と思ったのですがね。しきりに、そのラ某の容姿のことを
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