第3章 リーザス陥落
第58話 守りたい者、譲れない想い
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びついてきた様だ。身体は軽いから、そんなに問題ないが、流石に疲れているから、バランスを若干乱しそうだったが。
「本当に良かったよ……、お兄ちゃんが無事で……」
「……ああ、ありがとな? ヒトミ」
「ふふ、ヒトミちゃんも皆の為に頑張ってくれてるんだよ? 世話だってしてくれてるし、すっごく助かってるんだから」
「えへへ……」
ヒトミは褒められて嬉しいのか、頬を緩めて笑っていた。ヒトミが自分自身に掻けている認識阻害効果は、十分に機能している様で、彼女の正体を知っている者はユーリと比較的近しい者達しかいない。だから、ミル同様、頑張ってくれている可愛らしい女の子位にしか見られてないのだ。その愛らしい笑顔とひたむきな姿勢、献身的な看病は、皆に安らぎを与えてくれているのだ。
ユーリは、それも聞いていて。
「そうか。ありがとな? ヒトミ」
そう言って彼女の頭を撫でた。ヒトミは、ニコリと笑うと答える。
「ううん! 無理言ってついて来たんだから。私も役に立てたら嬉しいもん。お兄ちゃんの傍にもいられるしね!」
ひょいっとユーリの肩に乗って、丁度肩車の態勢に入った。
「コラ ヒトミ、重いぞ?」
「ぶーー!! お兄ちゃんっ! 女の子に酷いよっ! ぁ……って、言いたいけど……そうだよね。お兄ちゃんもすっごく疲れてるのに、ゴメンなさいっ」
ヒトミは、そう言うと身軽な身体を活かしてするするとユーリから降りて、その手を握った。
「いや、軽いジョークのつもりだったんだが……」
「女の子相手に重いって、その言葉の意味と同じで、軽いジョークにならないわよ。バカね」
「ああ、志津香か」
風に当たってくる、と言ってから志津香も戻ってきた様で、ため息を吐きながらそう言っていた。
「志津香お姉ちゃんも お疲れ様っ」
「ふふ。はいはい。でも、まだ 頑張らないといけないけどね?」
ヒトミは志津香の手もぎゅっと握ってそう言う。志津香もやや、そっけない感じの言い方だが、その顔は穏やかで、優しさに満ちていた。随分と珍しい顔だと思える程に。
「ユーリさん、お疲れ様です」
「ああ、かなみもな。……メナドは大丈夫か?」
「うぇっ!? め、メナドですか??」
「? オレ何かおかしい事、言ったか?」
「い、いえ……、メナドは大丈夫! ですよ。ちょっと催眠の影響もあってか、心労で眠ってはいますが、問題は無いとの事です。(……ま、まさか、あんなふうに考えてた、とは言えないよぉ……)」
「ん、そうか。それは良かった」
かなみもハウレーンもかなり気にしていた相手だ。
先ほどもハウレーンに聞きたかった事ではあったが、看病をしていたのは、かなみだった為、かなみに聞いたのだ。
「(かなみお姉ちゃん。ま
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