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総てに飽いた男の物語
プロローグ
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いるように感じることね
今ではデジャブとか言われていたわね、それがどうかしたのかしら?」

既知感がどうしたのだ、と言わんばかりの顔を私に向けるリアス嬢。
…確かに彼女にとってはどうでも良いかもしれんが…私にとっては結構重要なのだぞ

仕方ない、彼女に説明するとしよう

「言わば、私は常にソレ(既知感)に囚われているのだよ。
ありとあらゆる森羅万象、その総てが私には既知に見えてしまうのだ。
滑稽な話だ、既知感ばかりのせいでこの世界が私からは灰色に見えてしまうのだからな」

「そう、貴方の世界は随分とつまらないのね」

今度はため息をつき、腕で胸を支えながら言う。
ふむ、絶景かな。…おっと、失礼。これもまた既知とはいえ…目のやり場に困るのだ。
下手をすれば、このクラスの男性全員の相手をせねばならんからな。

いや…あの時は大変だった。一人一人、記憶を弄ったのだからね。
でなければ、私が大多数の人間に殺されるかと思ってしまった。
あれもまた未知…だったら良かったのだがね、
夢の中のドイツあたりであんな事をした気がするのだよ
ラインハルトという男性と。…確か、怒りの日(Dies irae)だったかね?

と、そんな事を考えている暇があれば、彼女に返答せねばな。

「無論、そうとしか言えんな。私は今までも、今からもつまらん人生を送るのかもしれん
だが、私は思うのだよ。こんなつまらん世界だが、
いつか私が楽しめる…未知があるのではないかとね」

「あら、貴方が笑うかもしれないのね?それなら、見てみたいものだわ」

妖艶な笑みを浮かべてリアス嬢は私にそう言う、
…ふむ確かにそうかもしれんな。私は今まで心の底から笑った事がない。

これもまた既知感ではあるが、心底笑ったのは、つい先ほど語った
怒りの日でしかないな。いや、夢の中とはいえ…楽しかった。
彼との殺し愛は飽きる事がないだろう。例え、それが既知になろうとも

何故かは知らんが、あの殺し愛の時、何処からともなく
「双首領様が楽しそうでなによりです」とどこからともなく聞こえた気がするのだが。
あれは気のせいだと思いたいものだ

それは、スルーしておいてだ

「ふむ、まぁそれも良いかもしれんな。
だが、それには…この本に載っているような、神話の存在がいれば、の話だがね?」

そう私は、洒落てもいない冗談を言う。

だが、リアス嬢は少し口を引き攣らせた笑みを浮かべていた

「…そ、そう」

「うむ?何か気に障る事でも言ったかね?ならば謝罪しよう」

「いえ、別に気に障ったわけではないわ」

「ふむ、それならば良いがな…む?そう言えば…卿の、リアス嬢の苗字は七十二柱では――」

「コホン!リアス、煉さん
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