第三十三話 上村中尉!ディオラマも芸術だ!!その八
[8]前話 [2]次話
「いや、ボンボンはよかった」
「そしてそのファミコン風雲児をあっさりなんてな」
「この人違うぜ」
「ディオラマだってな」
見れば店にはディオラマも飾られていた、そのディオラマは某プラ魂大作に出る様な素晴らしい出来だった。航空自衛隊の基地を再現したものだ。
「細かいところまでな」
「忠実に再現してるな」
「いや、整備兵の人までか」
「細かく作ってるな」
「こんなの俺達には作られないな」
「流石にな」
そこまでの出来だというのだ。
「これが上村中尉の実力か」
「日帝衆一のプラモの作り手」
「凄いな」
「タミヤさんも喜ぶ筈だぜ」
「それでこっちの小さい子は誰だ?」
学生達はここで瞬に気付いた。
「小学生か?」
「ああ、顔もそんな感じだな」
「こんな小さな女の子がこの店に来るなんてな」
「珍しいな」
「あの、お嬢ちゃん何を買いに来たのかな」
「私は高校生ですが」
瞬はその学生達に真面目な声で答えた。
「悠木瞬といいます」
「悠木瞬ってまさか」
「日帝衆の大将閣下のか?」
「ジャスティスカイザーと果敢に戦い続けてる」
「あの人か」
「そうだ」
ここで上村が口を開いた。
「この方こそがだ」
「えっ、そうなんですか」
「小柄で童顔だから小学生かと思いました」
「そういえば小学生にしては胸が大きい様な」
「ロリ巨乳ってやつですか」
「胸はともかくこの方は高校生だ」
上村は態度を畏まらさせた学生達に真面目に話した。
「そして日帝衆三軍の大将であられるのだ」
「軍服着ていないからわかりませんでした」
「失礼しました」
「いえ」
謝罪する少年達にだ、瞬は礼儀正しく応えた。
「構いません」
「そう言って頂けますか」
「有り難うございます」
「お礼にも及びません」
少年達にこうも言うのだった。
「何はともあれです、これよりです」
「上村さんとですね」
「出陣ですね」
「行って来ます」
上村は瞬の方に来た、そうしてだった。
瞬はあらためてだ、少年達に述べた。
「姫路城に」
「頑張って来て下さいね」
「今度こそジャスティスカイザーをやっつけて下さい」
「あのふざけた奴等を成敗して下さい」
「懲らしめてやって下さい」
「そしてです」
日帝衆は勝利だけを求めていない、そこから先を念頭に置いているのだ。政治戦略というものは勝利で終わらないからだ。
「再併合とその後の統治お願いします」
「そして世界平和にさらに近付きましょう」
「差別と戦乱、貧困のない世界」
「それに近付きましよう」
「人類のさらなる発展に」
「日本はその中心の一国となります」
真の世界の平和と安定を導くその国々にというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ