2部分:第二章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ていないビール缶が幾つかあった。敦も陽子も酒は好きだ。だから結構買ったのだ。
「じゃあまだ飲むの?」
「うん、飲むよ」
彼はそれに答えた。
「まだ飲めるしね」
「じゃあ私も」
彼女もそれに付き合うことにした。
「今日は飲みましょう」
「そうだね。二人でね」
「ええ」
互いに下着姿のまま飲みはじめた。あの声はもう聞こえなかった。結局気のせいだと結論を出して楽しく飲みはじめた。飲み終えた二人が起きたのは翌日の朝だった。ダブルベッドに二人で寝ていた。二人共下着姿のままである。
起きてパンとミルクの簡単な昼食を済ませるとまずは歯を磨いて顔を洗った。昨日の酒は残ってはいなかった。
「それでドライブ何処に行くの?」
陽子は着替え終えてテーブルの上に置いた鏡の前に座って化粧をしていた。リップを塗っている。紅いルージュであった。
服はやはりミニスカートであった。ラフな黒いジーンズのものだ。今度は素足を出している。上は赤い半袖のブラウスだ。首にはネックレスをして自然にそちらに目がいくようにしてある。やはり見せる格好であった。
「山にでも行く?」
「山?」
「それとも海か。どっちがいい?」
「山や海より街がいいわ」
陽子はリップを塗った後でこう言った。
「街!?」
「ええ、軽くショッピングしてレストランで食べて」
「レストランって言ってもあれだろ、いつものファミレス」
「わかってないわね、ファミレスだからいいのよ」
陽子は敦に言い返した。彼はもう準備を整え彼女の横でゲームをしていた。昨日二人でやっていた格闘ゲームだ。今度は一人でプレイしていた。
「色々なものが食べられるから」
「味も安定してるしね」
「そういうこと。それからカラオケ行って」
「それだけ?」
「それだけって?」
「いや、それだけだと時間が結構余るからさ、今まだ八時だし」
「ええ」
「時間かなりあるよ。他には何処か行かないの?」
ゲームをしながら尋ねてくる。
「他にはって言われても」
陽子は少し困った顔になった。
「今は。別に買いたいものもないし」
服もバッグも化粧品も。今欲しいものはもう買っていた。この前二人で買いに行ったのだ。
「本もDVDもね」
「買いたいものはあるって?」
「ええ、だから」
「じゃあ、プールにでも行く?」
「プール!?」
「ほら、新しい水着買ったじゃない」
相変わらずゲームをしながら言う。
「だったらさ、行こうよ」
「この辺りにプールなんてあったかしら」
「あるよ、スポーツジムにね」
「へえ」
「それでさ、そこで泳がないか?」
「いいわね」
その申し出ににこりと笑って応える。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ