暁 〜小説投稿サイト〜
八神家の養父切嗣
二話:闇の書覚醒
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
行こう。ここだとはやてが起きてしまう」

 それだけ告げて切嗣は部屋から出て行く。
 背中を向けるという行為は本来であればやりたくないが信用されるためには仕方がない。
 騎士達も一度顔を見合わせて頷いてから切嗣について行く。

「まずはそっちが聞きたいことから聞こうか」
「じゃあ、単刀直入に言うぞ。あんた魔導士か?」
「そうだよ」

 ヴィータの警戒心を隠さない問いかけにも顔色一つ変えずに答える切嗣。
 ヴィータの方はあまりにもあっさりと答えられたために面を食らっている。
 実際のところ切嗣は魔導士であることを隠し通すのは不可能だと考えていた。
 魔法見た際の反応や単語の知識などでどうしても隠せないのだ。
 そのため聞いてくれば答え、聞いて来なければ隠す程度の考えでいた。
 真に隠すべき真実は別にあるのだから。

「ではあなたは管理局とつながりはあるか?」
「それを聞くという事は何かやましいことがあるのかい」
「……私達は何人かの主に仕えた際に蒐集の過程で管理局と争っているのだ」

 切嗣に痛い所をツッコまれて口を噤むシグナムの代わりに今まで黙っていたザフィーラが答える。
 その答えに切嗣は、ヴォルケンリッター達は毎回ゼロから作られる存在ではないことを知る。
 記憶を持っているという事は同じヴォルケンリッターが何度も使いまわされているか、データを常にアップデートしている存在だということだ。

「とにかくあなたが管理局側かどうかを教えてもらいたい。……主の父親である以上、そちらから危害を加えないなら傷つける事がないことは保障する」
「そいつはありがたいね。簡潔に言えば答えはNOだ。僕も少し後ろめたいことがあってね」
「なにしたんだよ」
「いやね、昔管理局のデータベースにハッキングをかけたことがあってね。大体的じゃないけど目をつけられてね。今はこうして故郷で魔法捨ててのんびり暮らしているのさ。あ、はやてには内緒にしておいてね」

 そう言って切嗣は頬をポリポリと掻く。
 後ろめたいことがあるのもデータベースにハッキングをかけたこともあるのも事実だが、それは本当に隠したいことを隠すためのカモフラージュに過ぎない。
 切嗣は管理局側と言っていいかは分からないがギル・グレアムと結託しているので繋がりを持っている。
 
 しかし、騎士達もまさか犯罪者が管理局と繋がっているとは思わない。
 怪訝な表情はするもののどこか安堵した空気を漂わせているのが良い証拠だ。
 そう簡単に気づくことはできない。
 何せこれははやての親になったときから練られていた嘘なのだから。
 切嗣は内心でそう自嘲する。

「今度は僕の方から質問だ。蒐集は主の意志で行うものか、それとも君達が自主的に行うものなのかを聞きたい」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ