二話:闇の書覚醒
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縮められたなと思い、闇の書覚醒の日を思い出す。
それははやての誕生日になった直後のことだった。
「闇の書の起動を確認しました」
「我ら、闇の書の主を守る守護騎士でございます」
「夜天の主の元に集いし雲」
「ヴォルケンリッター、何なりと命令を」
今日も今日とて本を読みながら夜を過ごしていたはやての目の前には今よりも固く、人間味を捨てたかのような顔の騎士たちがうやうやしく跪いていた。
はやては訳が分からずポカンと口を開けたまま動けない。
しかし、そこにさらに驚くべき光景が飛び込んでくる。
ドアを蹴破るようにして切嗣が部屋に転がり込んできたのだ。そしてはやてを庇うように前に立ち拳銃を騎士達に突き付けるのだった。
騎士達もすぐさま立ち上がり戦闘態勢に入ろうとするがそれを制するように切嗣が声を上げる。
「君達は何者だい。娘のはやてに手を出すというのなら父親として命を賭けて排除させてもらうよ」
普段とは打って変わって冷たい声を出す切嗣にはやては若干の怯えと安堵を感じた。
一方の騎士達は切嗣の言葉を聞き何やら顔を見合わせ始める。
(おい、シグナムどうすんだよ。戦うのか?)
(いや、待て。あの男の言葉が正しいなら戦うべきではない。主の父親に剣を向けるなど不忠だ)
(あの男の言葉が嘘という可能性はないのか?)
(それはないでしょう。豪邸ならともかくここは民家だもの。親以外の人間がいるとも思えないし。何より主の顔を見れば私達とあの男、どちらが信用されているのか分かるわ)
(……ならば主の為にもここは話合いだな。頼むぞ、将)
このような話が騎士たちの間では交わされているがこれは切嗣の狙った通りの結果だ。
最初から彼等が何者かというのは知っている。
だが、突然現れた彼等を自分が知っているのはおかしい。
故に怪しまれないようにそ知らぬふりをして敵意を向ける。
それと同時に自分がはやての父親であると宣言して主の味方であると認識させる。
そうすることで今後の騎士達の監視もそれとなく行える。
「先ほども言った通り我らは闇の書の主を守る守護騎士です。主に危害を与えることは騎士の誇りにかけてあり得ません」
シグナムが前に進み出て真っ直ぐな目を向け切嗣とはやてに宣言する。
その宣言に僅かばかりに顔が歪む切嗣だったがすぐに無表情になり口を開く。
「……そもそもその守護騎士というのはなんなんだい? 突然現れてこっちも何が起こっているか分からない」
「簡単に言わせていただきますとこの闇の書の所有者、ご息女様をお守りし闇の書の完成を目指すのが我らの役目です」
「完成? 本なのに何も書かれていないのか」
「はい。リンカーコアの蒐集を行うことで本のペー
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