1部分:第一章
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した顔になって言った。
「驚いたかしら」
「少しね。御免、ちょっと道が混んで」
「そうだったの」
「うん、今渋滞気味なんだ」
「それだったら。ドライブは止めた方がいいかしら」
陽子は言った。
「どうする?そこんとこ」
「とりあえず車の中に入っていい?」
「ああいいよ、どうぞ」
「ええ」
陽子はそれに従い車の中に入った。助手席に座った。
車の中で脚を組む。その奥にあるものが見えそうである。それが見えはしなくとも思わず目がいってしまう脚がそこにある。黒いストッキングに覆われたその脚が敦の目に入っていた。
「で、これからどうするの?」
助手席に座った陽子は隣にいる敦に尋ねた。
「ドライブが駄目だったらレストランとかカラオケも」
「ドライブは明日にしないかい?」
敦は陽子の脚を見ながら言った。陽子も見られているのはわかっている。あえて彼氏に見せているのだ。
挑発していると同時に自分も満足していた。見せていることと見られていることに。彼の視線が何よりも心地よかったのである。
「明日にするの?」
陽子は敦の視線を感じながら言った。
「うん、また明日で」
「じゃあ今日は?」
「今日は。家で遊ぶ?」
「ゲームでもして?」
「いいゲーム買ったから。格闘ものでさ」
「じゃあそれでいいわ」
「お酒でも買ってね」
「ええ、それで遊びましょう」
「うん」
その場はあっさりと話が進んだ。車の中では相変わらず彼に自分の脚や胸を見せていた。そしてアパートに着いた。早速お酒を飲んでゲームをはじめた。その時陽子はずっと銀行を出た時と同じ格好であった。
「着替えないの?」
「だって見て欲しいもの」
今度は恋人として言った。
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