1部分:第一章
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ない。出せるって話は聞くけどよっぽどの達人よ」
「そうかあ」
「そうそう、まあ一応ボディガードにはなってくれてるから」
「安心ね」
「車で送り迎えもしてくれるしね」
「彼氏って便利ね」
「旦那になったらもっと便利かも」
「こらこら」
「うふふ」
そんな半分のろけが入った話をしながら仕事をしていた。仕事が終わるとすぐにロッカールームに向かって着替える。愛想のない制服からうって変わって派手な私服になった。
「相変わらずね、私服は」
「どう?今日のは」
黒いストッキングに白いタイトのミニ、上は青のタンクトップとスカートと同じ白い上着であった。露出、とりわけ脚を意識した服装であった。
「目立つわよ」
「遊びに行くみたいよ」
「彼氏と待ち合わせてデートなのよ」
やはりここでものろけていた。
「これからね。明日休日だし」
「その脚でいたいけな大学生たぶらかして」
「悪いんだから」
「まあまあ。それに敦君だってこんな格好してくれないと不機嫌になるし」
「彼氏も?」
「ええ」
陽子は答えた。
「折角だからって。脚見せてくれって」
「元気ね、本当に」
「歳下の彼氏って」
「まあ、こっちもね。それではりきっちゃうけれど」
「じゃあ頑張って彼氏の要求に答えるのね」
「一応応援はしてあげるわ」
「ありがと。それじゃあね」
「ええ」
銀行を出る。そして入り口のところで彼氏の車を待つ。銀行が終わるのは遅い。もう外は真っ暗であった。陽子はそんな中で腕を組んで立っていた。そして彼氏の車を待つのであった。
道を行く男達が思わず振り返る。陽子のスタイル、とりわけ脚に目がいくのである。陽子の方もまんざらではない。心の中で男達の視線を楽しんでいた。
(もっと見ればいいわ)
心の中でそう呟く。
(もっとね。こっちだってその為にこうした格好しているから)
タイトはかなり短く腿の付け根まである。その二本の脚が露わになっている。その脚を立ちながら組んでいる。そして道行く男達に見せていたのだ。
胸もはっきりとタンクトップから浮き出ている。谷間が見えそうである。これもあえてそうしているのだ。彼氏に言われたというのは実は嘘であった。彼女は自慢のスタイルをそうして他の人間に見せていたのである。見せずにはいられなかったのだ。
暫くして車が来た。シルバーのデミオだ。誰の車かすぐにわかった。
「お待たせ」
窓が下ろされ中からあどけない顔立ちだが大柄で筋肉質の青年が顔を出してきた。彼が陽子の彼氏である敦だ。彼女より一つ下の大学生なのは本当のことだ。
「待った?」
「待ったわよ」
陽子は意地悪そうに笑って彼氏にこう返した。
「おかげで危ない目に遭いそうだったんだから」
「嘘っ」
「嘘よ」
今度はにこりと
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