第3章 リーザス陥落
第57話 レッドの町の戦い・決着
[1/18]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜レッドの町 地下道〜
ここから、町長の屋敷までは一本道。その作りはさながら、王族を逃がすための隠し通路の様なものだった。
「レッドの町もかつては、独立していて、その名残がこうして残っているのかもしれませんね」
かなみは、その通路を通りながらそう呟く。王家に仕えている忍者である自分だからこそ、そう思ったのだろう。ただ単に、偶然こんな通路が作られたとは思えないからだ。
「かもしれないな。……趣味で作るにしては距離がありすぎる。金も相当掛かってそうだ」
通路に一定の間隔で灯っている燭台を見ながらユーリはそう呟く。まだ灯っている時点でも凄い事だと思える。恐らくは、何名かを逃がす為にここを使ったんだろう。
そして、今回は逆にヘルマン側に使われているのだろう。
「がはは、これで足元から一気に殲滅してやるぜ! そして、乱交パーティだぁ!」
「ら、ランス様……」
ランスの馬鹿な発言は、当然この通路にはよく響き渡る。色々と今後のこと、潜入した後での戦いについての考えも張り巡らせているのに、それも馬鹿らしくなってしまう程だ。
「はぁ……本当にあの馬鹿は」
「安心してくださいですよー、ユーリさん! トマトは、参加しないですかねー! ユーリさんと一緒なら考えますですが!」
「馬鹿なこと言ってないで、しゃんとしなさい。……優希も待ってるんだからね」
「そう、ですね。……必ず」
志津香の言葉に、力をぐっと入れるのはランだ。あの時の会話は、勿論ランも聞いている。優希には、色々と世話にもなっているし、歳下だから、彼女達にとっても妹の様にも思えるのだ。愛くるしい笑顔に、……罪悪感をまだ持ち続けている自分は、何度も助けられていた。だからこそ……。
「そうだな。片っ端からやってやろうぜ。血の代償は今まさに、ってやつだ」
ミリも剣を担いでにやりと笑った。そして、ランと志津香の間に入り。
「どーせなら、優希とオレも入れて5Pにしないか? あ、勿論相手はユーr「馬鹿なこと言わないで!」っとと!!」
ミリの脚に痛みが走る!?……気がした。
地団駄を踏むように、志津香の踏み抜きは、ミリの脚を捉えず、地面に当たっていたのだ。地面に ひびが入っている様な気がする……、それ程の威力。
「(……あんなの何度も受けてたのかよ、ユーリは)」
この時、若干冷や汗をミリは掻いていたのだった。
「そ、そうですよ! い、いくら残念賞でも、そ、それは……ちょっと……」
後半部分がどんどん聞こえなくなっていくラン。それを聞いた志津香は僅かに首を傾げる。
「ん? 残念? 一体何のことなの? ラン」
「ぅぇ!? な、何でもないわ。志津香! ほらっ! 早くいこっ! ユーリさん達と離れ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ