暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第57話 レッドの町の戦い・決着
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えた。

「頭に血が昇って周りが見えてないな……。無手の方が弱いとは思わない事だ。……オレをもっと楽しませてくれ」
「ぐっ!!」
「折角2対1にしてやってるんだ。……それで対等だ」
「舐めるなッ!! 行くぞボウ!」

 2人は、単独こそはやめたが、やはり頭に昇った血は落ない様で。単調な攻めばかりを繰り返していた。それでも、その実力は生半端ではない、これまでの雑兵とは比べ物にならない為。

「ふんっ……!」

 清十郎も、この間は 2人との攻防に集中せざるを得なかった。



「ボウ、リョク。……ぶーぶー。アイゼル、レイラ! お前らも行くぶー! 魔人の力でコイツらを一掃するぶー!」

 まさか、死神に続いて弟子2人も抑えられるとは夢にも思っていなかったフレッチャーは、焦りが隠せない様子だ。その額には 脂汗がダラダラと流れていた。

 だが、アイゼルはフレッチャーを見なかった。

「……私は、そんな醜悪極まるものを見に来たわけではないのですよ。先ほどまでの威勢のよさはどこへ行ったんですか?」
「ぶー! なんだと、ぶー!!」
「貴方も、一軍の将であるのなら、危地は己の力で覆しなさい」

 アイゼルはそう言うと、レイラの方を向いた。そして、耳元で囁く。

「まだ、私の傍にいるんです。醜いあの男の指示を聞く必要も助ける必要もない。時が来れば、また指示を出します」
「……はい。……アイゼル様……」

 虚ろな目のままに、レイラは頷いた。

「ぶー! アイゼル、許さんぶー! 後でパットン皇帝に連絡してやるぶー!」
「なら、ここから生きて帰らねばなりませんね。貴方の2人の弟子。……そして死神と呼ばれる男をご覧なさい」

 アイゼルの言葉を聞いてフレッチャーは、反射的に……と言っても贅肉が邪魔して遅いけど、そちらを見た。



「………!」
「ふっ……!」

 伸縮自在の剣、バイロード。
 それは、距離を詰めようが、遠目で攻めようが利は無いに等しい。相手の獲物に合わせながら変えられるのだから。長剣の類に入る武器を信じられない速度で使う死神と、それを捌くユーリ。

 強者2名の戦いに立ち入れる者は誰もおらず、志津香も手助けをしようと当初は思っていたが、魔法よりも早い動きと攻撃。

 下手に手が出せなくなってしまったのだ。


「洗脳されていて、この強さとは恐れ入るな。だが……」

 ユーリは、かなみの忍者刀で素早くバイ・ロードを弾くと、妃円の剣で峰打ちを打つ。
人体の急所、脇下へと当てた。その衝撃は肺を貫く。空気の供給がままらなくなり、動きが止まった所で。

“どどどどどどっ!!”

 ユーリは、二刀を乱舞させ、肝臓、腎臓、顎、こめかみ……、人間の弱点とされている部
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