第3章 リーザス陥落
第57話 レッドの町の戦い・決着
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十郎の名を呼ぶと、直ぐに返事が返ってくる。彼も理解していたようだ。ここから先にいる者の気配。その1つが尋常じゃない気配を纏っている事を。そして……。
「この先に 魔人がいる可能性が極めて高い。……清十郎なら その気配で判ると思うが、そいつは後回しにするんだ。……それ以外を集中的に殲滅しろ」
「お前がそう言う以上、それ程の相手なんだろう。……判った任せろ」
清十郎は、素早く二刀を引き抜き、そして逆手に持って構えた。独特な構えだが、それが彼の型である。
「ラン」
「……はい」
「最後尾にオレが立つ。ミリとトマトもランスと清十郎と共に前衛を頼む。かなみ、志津香、シィルは中衛。5−3−1の陣形で頼めるか?」
ユーリの言葉に皆が頷いた。
そして、ランス達に続いてゆっくりと歩を進めていった。
その中で、志津香だけがユーリの方を見て聞き返す。
「……珍しいわね。ユーリが最後尾なんて。私は まっ先に飛びかかると思ったけど?」
もうすぐに戦いが始まると言うのに、本当に大した心臓の持ち主だ。からかう様な仕草だったが、ユーリは真面目に返答した。
「……いや、背後に得体の知れない気配を感じた。前にも感じるが……、こっちにも強く感じる。抑えているが、抑えられない。そんな気配……殺気が」
ユーリは、背後の方をチラリと見ながらそう答える。他の部屋の全てを調べている時間は無かった。無理に調べようとしたら、悪戯に兵を呼び寄せるだけだし、かなみだけを行かせるのは危険が伴う上に戦力も減るから。
「そう……」
志津香は頷いた。だけど、前をはっきりと見据える事は出来る。後ろから守るのが魔法使いの役目だ。だけど、その更に後ろで頼りになるひとがいるんだ。
「後ろは任せたわよ? 敵兵の1人でも接近させたら、魔法暴発させるから」
「……無茶苦茶だな。だが、任せろ」
志津香の言葉に強く頷き……そして、警戒を強めながら部屋の中へと入っていった。
そこは、広い部屋。目算で10u……いや、それ以上はあろう部屋だった。本部にしたのも頷ける広さだろう。
その奥で、巨大な影が見える。
大きな椅子、まるで玉座とも言える様な頑丈な椅子に座っている巨体が。
「ぶーぶー。よく、ここまで来られたな? ぶー」
顔の肉が喋るたびに、ぶるぶると動く……。巨体は巨体なのだが、それは明らかにぜい肉。惰眠を貪り尽くしている様な姿。日頃の生活が手に取るように判る。
フレッチャーは、チューリップ3号が来た時には慌てふためいていたのだが、今はすっかりと調子を取り戻している様だ。己の兵力と力に過信をしているのである。
「わ、わぁ……ランス様、立派な格好のぶたバンバラが椅子に座って話をしてます。
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