暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第57話 レッドの町の戦い・決着
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部纏めて片付けるわよ。……ヘルマンの連中も、リーザスの人たちのことも」

 志津香は、そっとかなみの肩に触れた。
 かなみも、志津香の言葉にゆっくりと、そして力強く頷いた。







〜ヘルマン軍司令本部〜



屋敷の最奥の部屋。
そこに座して待ち構えている男がいる。

「ぶーぶー……、ふん。ここまでやるとはぶー。だが、あの鉄の化物もここまでは入ってこれないぶー。周囲も即席ではあるが、仕掛けを施してあるぶー。さっさと 援軍を呼んで一気に叩くぶー」

 ヘルマン軍司令官 フレッチャーである。
 左右には、彼の弟子であり、文字通り手足である男2人の武闘家、ボウ、リョク。そして、部屋の護衛兵であるヘルマン兵……。一番後ろには、金髪の男。

「……もう、ここまで攻め込まれては 終わりではないでしょうか? フレッチャー殿の策は全て覆されてしまった様ですし、今は籠城よりも どうやって離脱をすべきかを考えた方がよろしいのでは?」
「馬鹿言うな、ぶー、このフレッチャー様が本気を、ぶー 出せば楽勝ぶー。それに……」

 チラリと、ボウの方をみると、静かに頷いた。そして リョクも続いた。

「はっ……、配置は済んでおります。洗脳兵という事もあり、気配を消す事にも申し分ないかと……」
「ふん。自我の無い人形も同然だからぶー。だが、戦力を見れば完璧ぶー。ここが落とされる事は、万が一にも無いぶー」
「フレッチャー様、恐れながら申し上げます」
「許すぶー」

 ボウは、片膝を落としながら、進言した。

「リーザスの全兵を隠せば、こちら側にはヘルマン側だけとなり、敵も警戒するやもしれません。故に、少々は表側にも配備するのが最善かと」
「ふむ……ぶーぶー」

 ボウの進言に、ぶよぶよの二重あごに手を当てながら考え込む。

「(成る程成る程……、この2人の人間がいるから、と言う事ですか。この醜い男が、こうまで安心をしていられるのは。ですが、これで世界最強の格闘家と呼ばれていたのだから、ヘルマンの人間と言う存在は実に美しくないですね)

 金髪の男……、その正体は ヘルマン側にいる最大の脅威の一角。魔人アイゼルである。



 そして更に数十分後。


「よーし、ここが司令官の部屋だな?」
「慎重に進むわよ? ランス。ここくらいは」
「いや、オレ様らしくない。もう、この部屋のむさ苦しい男共は、殺すのだから、どうどうと進むぞ! がはは」
「……ったくもう、この馬鹿は」

 かなみの言葉を無視して、本当にどうどうと扉を蹴破って突入していく。志津香は、もう何言っても無理だとは思っていた筈だが、悪態をついたのは仕方がないだろう。

「……清十郎」
「ああ」

 ユーリは、静かに清
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