暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第57話 レッドの町の戦い・決着
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「あ、あれ? ボクは一体……?」
「ぐっ……」

 洗脳されていたリーザスの面々が目を覚ましたのだ。

 その一瞬の気の乱れ。その間にアイゼルは煙の様に姿を消した。

「ちっ……、アイツの結界も見るつもりだったんだがな」

 瞬間移動に似た速度。
 もし、ハンティの様な事が出来るのであれば、もう追いかけても無駄だろう。

「レイラさんっ!!」
「ぐぁっ……、あ、アイゼル……様……」

 清十郎が、完全に攻撃を防ぎ、隙あらばセクハラをしようとしてるランス。そして、かなみが後ろから、レイラの首筋に一撃を入れた。その一撃で、身体は崩れ落ち……、そしてかなみは、レイラを拘束ロープで縛り上げる。心苦しいが、彼女を助ける為だと、自分に言い聞かせて。



 こうして、レッドの町での戦いは終わった。



 アイゼルがいなくなった事も知り、一先ず敵は誰もいなくなった。

「……あ、あれ? かな……み?」

 そんな時、メナドが覚束無い足取りで、かなみの方へと向かっていた。今の自分の現状が判らない様だった。

「メナド……っ、本当に良かった。よかったよぉ……。ごめん、ごめんねっ……、助けるの……遅れちゃってぇ……」

 メナドの姿を見て、これまでの事を思い、かなみは涙を流しながら崩れ落ちていた。

「わ、わ? な、なんで泣くのさ……? あ、あれ……? 脚が……」

 メナド自身も洗脳が解けたばかりであり、フラフラだったが、それを支えるのはユーリだ。

「大丈夫か? メナドはヘルマン軍達に拘束されてたんだ。魔法で自由を奪われてな?暫くは無理をしない方が良い」
「……え? あれ? 君は…… ユー、り……」

 メナドは、視界もまだぐらりと揺れていたが、ユーリの顔はしっかりと見る事が出来た。朦朧とする意識の中で、確かに覚えている顔。知っている顔。……密かに想っていた顔だったから。

「あのとき、ありがと……、 それと、ごめん、ね。なんだか、身体のじゆう、きかなくて……」
「ああ。気にするな。……かなみの親友とはメナドのこと、だったんだな。……無事で良かった」

 ユーリは、そう言うとメナドの頭を軽く撫でた。メナドはふにゃりと笑う。

「ほら……、かなみも、泣かないで、よ……。以前にかなみにも話したよね? あの人のこと、だよ……。無事で、良かった……っ」

 それが最後にメナドは意識を再び手放した。

「……これじゃ、どっちが助けられたか判ってない様だな」
「ひっく、ひっく……。あ、は、はい……っ」

 かなみは、まだ涙を流していたが……、兎も角大丈夫だと言う事を自身に言い聞かせながら涙を拭った。

 因みに、かなみはメナドが無事だったことで安堵しきっていた為、メナドの
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