暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
狂乱者−バーサーカー−part2/荒れ狂う巨人
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の餌食になるでしょうね』
ガーゴイル、もといシェフィールドが視線を怪獣と、奴と交戦中のシュウの方を見やる。テファもそれに見合わせて視線を泳がせた。
『それにしても、残念ね。せっかく虚無の力をその身に授かり、強大な力を授かった使い魔を召還しても、たった一つのアイテムを盗まれて無力な存在になるなんて…もう一人オマケで女が付いているみたいだけど、怪獣の前では全くの無力よ』
「え?何を言ってるの…?」
奴の言う女とは誰の事なのか、間違いなくマチルダのことを指して言っていることは理解できた。だが、先に奴が言っていた『強大な力』の意味が分からないと疑問を口にするテファ。それに、奴が言う『虚無の力』とは…?
そんな彼女に、シェフィールドは逆に自分が驚かされたぞと言わんばかりの台詞を口にした。
『あら?あなた…自分の力のことも、使い魔のことも知らないのかしら?』
「何も知らないわけじゃないわ。私は…いえ、私たちはシュウがどんな人なのかを知ってる。彼は…」
無愛想で、冷たい印象を抱かせる割に、その実は優しさと強さを持った人。それが、シュウと言う人間なのだとテファは捉えていた。
『人物像のことを聞いているんじゃないわ。あなた自身の力と彼の正体についてよ』
「正…体…?それに力?」
奴が何を言いたいのか見当がつかないテファは疑問を募らせるばかりだった。
『あなた、系統魔法とは異なる魔法を身に着けているのでしょう?』
「え…!」
なんで知っている?森からここ数年はなれたことさえもない自分のこの魔法のことについては決して知られるはずがないのに、一体どこから知ったのだ。
『そして彼の力は…人の身で持つにはあまりに強大な、危険な力を持っている。あなたも何度か見たんじゃなくって?何せ、使い魔と主は、時に見るもの聞くものを共有する。例えば…命の危機にさらされると、ね』
「!!」
テファはそれを聞いて息を詰まらせた。
『私がなぜここにわざわざガーゴイルを向かわせたと思っているのかしら?何の理由もなしに、こんなちっぽけな村にわざわざこんな形で尋ねてくるなんてないでしょ?
けど、ここには二つあるのよ。あなたや彼のように、私のようなものさえ喉から手が出るだけ欲しがるほどのものが…ね』
「…じゃあ、やっぱり…」
薄々感づき始めてはいた。でも、所詮は証拠の薄い憶測で本当の事だとは思い難い。しかし、シュウがテファを誘拐された際に彼女の視界を見たときと同じように、何度かテファ自身も自分が見ているものとは全く異なる視界を、夢でも見ることがあった。それも、あからさまにこちらに殺意を向けていた、悍ましい怪物、黒い巨人などの姿を。
「彼が……」
とその時だった。向こうでムカデンダーの火炎弾によって一発の爆発が起き、シュウがその爆風で大きく吹き飛ばされた姿を目にした。

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