暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
狂乱者−バーサーカー−part2/荒れ狂う巨人
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てんじゃないよ!」
その権幕にサムはびくっと体を震えさせた。
「守る?誰をだい?少なくともあんたの思い上がった行動が皆を危険にさらすところだったんだよ!あんた、テファを守るとか大仰なことを言っているくせに、自分の都合で他人の力を盗み出して、情けないとか思わないのかい!」
「…う…うるさい…うるさいうるさい!!」
サムは魔法のナイフを構え、自分が守る対象とするべきであるはずのマチルダに、魔法を放とうとした。しかし、その扱い方はどこか粗い。飛んできた風の魔法〈エア・ハンマー〉をいともたやすく避け、マチルダは逆に同じ魔法をサムに向けて放った。
勿論手加減はしている。魔法を受けたサムは強い衝撃を受け、エボルトラスターやナイフを手放した。
「ふぅ」
長引くことなく済んでよかった。マチルダは一息ついて、すぐにサムの元に駆け寄ろうとする。さっさとあれをシュウに渡してこなければ。テファはシュウが無理をするのを恐れているが、今村に怪獣が襲ってきているこの状況を打開できるのは彼だけだ。
しかし、突如マチルダは自分に迫る殺気を覚え、とっさに杖を構えた。
『さすがね。土くれのフーケ。もう少し油断していたら、あなたが拾おうとしていたそれを奪うことができたのに』
この声の主、こいつが自分の正体をサムに明かし、村をこんな目に合わせたのか。すると、闇の中から一体の影が姿を見せる。彼女が見たのは、テファが見たものとはさらに別の個体の、一体のガーゴイルだった。


「何…?」
テファは目の前に現れたガーゴイルに戸惑いを覚え、子供たちも得体の知れないガーゴイルを見ておびえ始めた。
『そうね…シェフィールド、と名乗っているわ。といっても、今あなたが見ているのは、私が操っているガーゴイルの一匹。本当の私は別の場所からあなたを見させてもらってるわ』
「…みんな、下がってて」
美しくあるが、怪しい声。テファは子供たちを下がらせ、自分は杖を構えガーゴイルに向ける。これまでレコンキスタという兄弟組織を通して暗躍していたシェフィールドは、ガーゴイル越しとはいえ、ついに自ら手を下しにかかってきたのだ。
『やめておきなさい、あなたの詠唱よりこの子のかぎ爪の方が早くてよ。それに、ご自慢のあなたの魔法では、たとえ撃つことができても、このガーゴイルには何の効力もないわ』
「…!」
シェフィールドの言葉は、嘘ではない。奴が本体で現れていたのならまだしも、目の前にいるのはガーゴイル、魔法で動く石像であって生き物ではない。そんなやつに忘却魔法が通じたところで効果は何もないのだ。あらかじめテファの魔法を警戒して、自分は陰湿にもどこかに隠れてこちらを見ているのだ。
『何、別に抵抗しなければ後ろの子供たちにも危害を加える気はないわ。でも逆らえば…あなたの大事な使い魔君は、私のかわいいペット
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