狂乱者−バーサーカー−part2/荒れ狂う巨人
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いたネクサスが、左から顔をゆっくりこちらに向けながら振り返った時、そして次の瞬間にいつのも彼からは想像もつかないものが彼の口から放った時、……激しい恐怖に襲われた。
ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
それは、一言で現せばただの咆哮。しかしその咆哮には、すべてを飲み込み、食らうことをイメージさせるような、悍ましさと恐ろしさを孕んだものだった。
「ひ…!」
自分でもみっともないと思える悲鳴を漏らしたシェフィールドだったが、自分が漏らしたその悲鳴を漏らしたこと、自分が恐怖をしたことを知り、同時に屈辱を覚えた。
(この私が…このシェフィールドが…あんな若造に恐怖したというの…!?)
自分は虚無の使い魔だ。メイジが何人束になろうが屈服させてやるし、怪獣だって今ムカデンダーを使役しているように、これまでレコンキスタと言う組織を裏で操りつつ、怪獣を戦場に投入させて王党派を追い詰めて行った。メイジだろうが、怪獣だろうが…主を除くあらゆる存在は、たとえウルトラマンが相手だろうと、いずれ自分が全てを屈服させてやるだけの自信があった。
だが……今間違いなく自分は、恐怖した。自分より若いはずの、単に光の力におんぶにだっこのはずの…カッコつけじみた若造ごときに!!
「認めない…私は認めない!!ムカデンダーーーー!!」
格下だと捉えていた相手に、コケにされた怒りと屈辱に心を満たした。
しかし、彼女の相手は、それ以上に満たされていた。
ただ一転の黒さに染めあがった、憎悪に。
「!!」
わずか一瞬の刹那。ネクサスが再び放ってきた光刃によって、シェフィールドが操っていた二体のガーゴイルが、今度こそ破壊された。ガーゴイルが砕かれたことで、もちろんここにはいないシェフィールドはこの場を遠視することができなくなった。
その爆発に一瞬気を取られていたムカデンダーだが、その隙を突いてネクサスが襲い掛かってきた。
「ヴアアアアア!!!」
まるで金槌で思い切り人間の骨を砕きにかかったような音が、ネクサスの鉄拳がムカデンダーに叩き込まれたと同時に放たれた。血に飢えたような獣の唸り声のように息を荒くするネクサスの姿は、もはやいつもの彼とは異なる存在に見受けられたことだろう。
ネクサスの乱暴と言う言葉では留めきれない鉄拳によって地面を転がったムカデンダー。さらに倒れこんだムカデンダーを無理やり起こして胴体にニーキックや真上からのひじ打ちを叩き込んで痛めつけ、さらにタックルでムカデンダーの喉元を突く。
今の攻撃で後ろにのけ反るムカデンダー。恐らく奴はこちらに駆け込む形で襲ってくると野生の勘で予測し、近づいてくる前に火炎弾で応戦しようとする。
しかし、ムカデンダーの予想は覆させられた。
ネクサスが高速移動技〈マッハム
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