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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part2/必殺の魔法
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それを聞くと、あぁ…と声を漏らしたオリヴァンは乾いた笑い声を上げ出した。
「…は、ははは…!!勘違いしやがって…壷?僕はアネットを助けるつもりなんてなかったさ!」
「なんですって!?」
「あの時、毎年の号令だった家族旅行でラグドリアン湖に行く予定だったが、僕は行きたくなかったんだ。けど行きたくないなんていったところで無理やり連れて行かれるに決まってる。だからちょうどアネットが壷を割ったのを見て、僕がやったことにしてしまえばいいと思ったんだ。大成功だったよ。おかげで僕は自宅謹慎になって旅行に行かずにすんだ!大方僕を庇ったなんて思っているみたいだけど、馬鹿な奴だよ!
信じるだって?そんなことあるもんか!どうせアネットも、僕のことを心のどこかで笑っているに決まってる!」
「こいつ…!!」
いくらいじめの被害者だからって、その被害者面に甘えて、自分の殻に閉じこもってばかりで、自分を信じてくれているアネットを信じようともせず、彼女の目の前で、こうも堂々と酷い言葉を吐くとは。今すぐにでもこの豚野郎を焼き殺したくなったキュルケは杖を構えたが、咄嗟にタバサが冷静に止めた。
「タバサ、今回ばかりは我慢できそうに無いわ。こんな最低男、あたしの魔法で…」
「…オリヴァン。あなたみたいな子を私たちは知っている」
「なんだって?」
「彼女も自分の才能が無いことをすごく気にしている。でも、あなたみたいに他人の力を自分のものと偽ったりしない」
それを聞いて、キュルケははっとなった。タバサの言っている、『オリヴァンみたいな子』。間違いなく、あの子ただ一人しか思い当たらない。
「い、偽り?は、はん!偽りなんかじゃない!いつか必ず目覚めてやる!今はあえて他人の力を借りて先取りしているだけだ!なんたって僕はド・ロナル家の跡継ぎなんだから!」
キュルケはそれを聞くと、オリヴァンを露骨に鼻で笑った。
「いつか目覚める?はっ。笑わせないで。あんたみたいなぶくぶく太ってもダイエットする気さえ起こさないだらしの無い男が、一体何に目覚めるわけ?豚の真似事に?」
「なんだと!!」
「あの子はね、あんたなんかと違って立派なプライドがあるのよ。もうそれは高慢で単純にも見えるくらいだけど、高潔な貴族としての魂と誇りがあるわ。だから日々努力しているし、自分以外の誰かのためにできることだってやろうとしている。だからあの子は、あんたと違って友達もできているし、最高のパートナーもできた」
「あなたは…そうやっておどおどしているから、そしてなにもしないでただ怯えているだけだからいじめられている。あなたが勇気を出せばいいだけの話」
「う…うるさい!!うるさいうるさい!!」
立て続けに二人からの思い言葉を受けても、自分の非を認めず意地を張って杖を振ろうとするオリヴァン。しかし、たかが他人の
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