誓い-ラグドリアン-part2/眠れる王子
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るのをただ、黙って…。
(…ん?待てよ…)
サイトは何か、あることに気がついた。そしてそれから浮かんだ疑問を、自身と同化しているゼロ自身に打ち明ける。
『なあゼロ。ウルトラマンの命を共有する力って…同化しているウルトラマンと同化されている人間が二人とも命を持っていた場合はどうなってるんだ?』
『あ?そりゃ…二つとも維持されている状態だ。ただ、時間が経過するうちに互いの魂と自我が混ざり合い、最終的に二つの命も融合し二度と分離できなくなっちまう。最も今の俺たちは、ルイズの刻み付けたルーンのおかげで分離ができない。
まぁ、安心しろよ。いずれこのルーン関係無しにお前と分離できるようにする。いつまでも、お前と一体化したまま戦うわけにはいかないからな』
ゼロはサイトと自分の左手に刻みつけられたガンダールヴのルーンを見ながら言った。今の自分とサイトは二心同体。従来の一体化タイプのウルトラマンはたいてい勇敢な若者の命が尽きたところを救うことで一体化する。どちらか片方の命で互いの命を繋いでいたのだ。しかしサイトの場合はそうではない。二人の命がそれぞれ存在しているのだ。
『けどなんでそんなことを……ッ!!』
さっきの問いをかけてきたサイトに対して疑問を抱いていたゼロだが、直後にその意味を理解した。
『お前まさか!!』
『ああ。俺自身の命を、皇太子にあげてくれ』
『無茶はよせ!んなことしたら、この先分離できるかもしれないのに、俺とお前が分離できなくなるぞ!もしそんな時に下手に分離したらお前が死ぬとわかってて言ってんのか!』
『どうせ俺たちは、ガンダールヴのルーンが杭になってて分離できないじゃねえか。だったら余分に命を一つ持つくらいなら、誰かに分け与えた方が建設的だろ』
『簡単に言ってんじゃねえ!自分の命だぞ!時間をかけすぎて、俺と完全に一体化しちまったら、お前は完全に俺との境界線がなくなって、何万年もこの先ウルトラ戦士として戦うことになる!そんな道の上を歩くのは酷だ』
『…悪い。ゼロはこんな俺と完全に一つになることがいやかもしれねえけどさ。でも…俺はウェールズ皇太子を助けたい!今度こそ…俺のせいでこんなことになっちまったこの人を助けたいんだ!頼む!!』
精神世界の中、サイトはなんとゼロに向けて土下座までした。その姿に言葉さえも失うゼロ。ウェールズの一件は、サイトだけじゃない。ゼロ自身にも非があったと彼自身は認知していた。本当ならニューカッスルの城でゼロに変身すれば王党派の人たちを救えた可能性があった。だが前日のゼロの早まった行為がサイトからの見限りを買ってしまったのだ。そしてウェールズたち王党派が全滅し、今回の一件を招いた。
『………』
ゼロは、決断をした。そしてサイトの案に頷いてみせた。
「ヌゥゥ…デュ!!」
視点を現実世界に戻
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