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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
誓い-ラグドリアン-part2/眠れる王子
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皆の視界ごと白く塗りつぶしたのだった。




すでに、朝日が昇っていた。
湖の湖畔の傍らに、いまだ変身をとかないゼロとネクサスが見下ろす中、変身を解いたグレンも含め、全員が集まっていた。
アンリエッタはとめどなく流れる涙を隠すことができず、自分の腕の中に抱きしめたウェールズを見ていた。
白い光が晴れた時には、もうウェールズは元の姿に戻って彼女の腕に抱かれていた。今度こそ、目覚めない眠りについたのだろう。そう思っていたのだが…。
「…アンリエッタ…それに、グレン…」
「ウェールズ様…!」
「ウェールズ!」
ふと、もう目覚めないはずのウェールズが、目を開いた。それを見て、アンリエッタは驚きで目を見開く。それについてはサイトたちも驚きを見せたのだが、それもまた、淡くあかない希望だった。
「アンリエッタ…すまなかった…。操られていたとはいえ…君や君の部下たち…友人たちに…愚かなことをしてしまった僕を……グレン…君にも…すまないことをしてしまった…」
「腕が…!」
ウェールズの腕が、干からび始めていたのだ。
「無駄だよ…僕は一度、アンドバリの…指輪の力で…体中の水分を抜かれ死んだ…ほんのちょっとだけ、僕は帰ってきたんだろう。ひょっとしたら…水の精霊が…気まぐれを起こしたの…かもしれないな」
下半身から、彼の体が干からび始めていく。
「何かっこつけて妙なこと言ってんだよ!!」
「いや…いやですわ!また私を一人にするおつもりなの!?」
グレンとアンリエッタがそれぞれ抗議の声を上げるが、それも虚しくウェールズの体の腐敗は止まらない。
「僕は…3年前、ここで君に…愛を誓いたかったけど…誓えなかった…。根拠は無かった…でも…うすうす感づいていたんだ…。僕と君は、いずれ…離別するんじゃないか…と…だから…」
「そんなことおっしゃらないで!私はあなたに愛されることが何よりの幸せでしたのよ!!」
「最後だ…どうか…誓って欲しい…僕を……忘れる…と……僕を忘れて、他の男を愛する…と…」
それを聞いてアンリエッタの肩が震える。
「できない……他のことなら誓えても、…あなたを忘れるなんて…誓えるはずありませんわ!」
「お姫さんの言うとおりだ!馬鹿言ってんじゃねえ!!てめえの女くらい、自分の手で守って見せろよ!なぁ!!」
ウェールズの肩をガシッと掴み、グレンは怒鳴り散らす。友のためならと思えることはやろうと思えばできるだろうが、グレンにとってこの場合だと話が違う。愛する女性を守るのが、その女性が愛した男こそがふさわしいのだ。
「僕には…もう…できそうにない…だから…また僕が…逝く前に……生きている間に…逝って欲しい…でないと…僕の魂は…永劫現世をさまよう…ことになるかもしれない…。
グレン………アンリエッタを………僕の……愛しい従妹
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