誓い-ラグドリアン-part2/眠れる王子
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「平賀、今度ばかりは…俺も『諦めるな』と言う言葉を言うことができない」
「え…」
ネクサスからの言葉に、ゼロは目を見開いたかのように彼を見返す。
「一度は、奴がついた根拠の無い嘘かと思っていたが…違う。ウェールズ皇太子は、すでに死んでいる」
それを聞いて、ゼロとグレンは二人揃って絶句した。
「メフィストの手によるものなのか、それともアンドバリの指輪によるものかは知らんが、どのみち彼が一度殺され、偽の命を吹き込まれているんだ」
「マジ…なのか?」
「こんな状況でつく嘘に価値は無いだろ。奴を見ろ」
ネクサスが指をさす代わりに顎をひねってミラーナイトを見やる。良く見ると、その証拠たるものが見えた。ゼロとネクサスの、光線を受けた両腕がすでに治癒されていた。いや、たった今自然かつ急速に治癒されている。
「傷が…は!」
グレンも、今のミラーナイトの様子を見てわかったことがあった。さっきは自分のグレンドライバーを受けておきながら、今は平然と立っているではないか。もしや…。
「死人に…傷なんざ屁でもねえってのかよ…なんだよそりゃあ…」
グレンはわなわなと震える。やっと再会できたはずの戦友が、実はすでに故人だった。行き成りそれを言われ、納得などできるはずもない
「俺たちにできるのは、せめて彼を眠らせること。ただそれだけだ」
「…くそ!!!」
てっきり今度は、助けられると淡い希望を抱いていた。でもそれは結局幻。あの時、自分の身を挺してワルドの魔法から庇ってくれたウェールズを救えなかったことへの罪悪感とふがいなさを、ゼロは痛感する。
すると、ルイズからゼロたちに向けて呼びかけが入った。
「ウルトラマン、ウェールズ様の動きを止めて頂戴!後は、私の魔法でなんとかする!!」
(なんだ…ルイズは何をする気なんだ?)
ゼロはルイズの呼びかけに対し戸惑いを見せる。彼女に、何か方法があるというのか?ふと、ルイズの手に持っている本…始祖の祈祷書のページが光っているのが見えた。ルイズに、何か秘策があるということか!
「グゥゥゥゥ!!」
ミラーナイトが、ネクサスの縄から逃れようともがいている。回復の影響からか、光の帯を引きちぎろうとする力が強くなっている。このまま時間をかけたら、いずれこの光の縄が断ち切られてしまう。
グレンが自ら、ミラーナイトの背後に回り、彼をとっ捕まえてネクサスとの連携で動きを二重に封じる。その間、ルイズが瞑想しながら祈祷書に記された呪文を唱え、
ゼロはルイズたちの傍らに立ち、彼女たちをルイズの詠唱完了までの間守る体制に入った。
「…ディスペル!!」
かっと目を見開いた瞬間、ルイズの杖から光がほとばしった。それはこの暗黒の空間を、皆の視界ごと白く塗りつぶしたのだった。
すでに、朝日が昇っていた。
湖の湖畔の
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