誓い-ラグドリアン-part2/眠れる王子
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ージを捲った。
すると、白紙だったあるページに、光で文字が刻み込まれた。来た!ルイズは期待を寄せながらその文章を読み上げる。
「…解呪(ディスペルマジック)…先住も含めたあらゆる魔法を解除する」
これだ!ルイズはこれしかないと確信した。いかなる魔法をも消し去る魔法。また一つ彼女は、虚無の魔法を手に入れた。使うしかない。彼女は杖を掲げた。
「ルイズ、何してるのよ!あんたの失敗魔法なんかじゃ助けられっこ無いわよ!」
キュルケが警告を入れた。寧ろここでルイズが魔法で攻撃を仕掛けたら、自分たちまでも危険に晒されてしまう。自分はともかく、アンリエッタやタバサ、それにルイズ自身まで命の危機に晒されてしまうではないか。
すると、そんなキュルケの考えを察知したのかのように、二つの光が飛び込んできた。
緑色の閃光と、赤い光線の二つがミラーナイトの腕に降りかかる。とっさに避けようとしたが、腕に光線を二つとも受け、その拍子にミラーナイトはグレンファイヤーを放した。そして、再び鏡の世界を作り出しその世界へ逃げ込もうとするが、直後に光り輝く白い帯がミラーナイトの両腕を縛り、捕まえた。
「もう逃がさん。そこでおとなしくしていろ」
グレンの傍らに、別の方で戦闘を終えてきたゼロとネクサスが降り立った。ネクサスの右手からは白い光の帯〈セービングビュート〉が伸びている。逃げられる前になんとか両腕を封じる形で捕まえることができた。
「ぐ…げほ!!」
握り締められた喉を押さえながら、グレンは着地し膝を着いた。炎も酸素が無ければ存在し得ないように、グレンもまたそうなのかもしれない。
「無事か、そこの炎男」
「俺の名前はグレンファイヤーだ!覚えときな」
ネクサスから変な呼び方をされ、グレンは少しカチンと来る。これだけ喚く元気があるなら平気だろうと見た。
「捕まえたのはいいけど、これからどうすればいいんだ…!?」
ゼロは迷いを口にした。確かに、今度こそ自分たちはチェックメイトを掴み取った。でも、あのミラーナイトの正体は、ウェールズだ。すでにここにいる全員が知っている。ここで、アンリエッタの前で、凶悪な怪獣と同列の存在として倒せば自分も含めたみんなは助かる、だけど…。
(お姫様が…)
目の前で、自分たちに殺される恋人の姿を見せることになるのではないのか。
『サイト』
迷いを見せるサイトに、ゼロが語りかけてくる。
『ウェールズは覚悟を決めているはずだ。元々、敗北を覚悟し勝利を信じてアルビオンに残り、炎の空賊たちと共に戦った身だ』
『それはわかってる!けど…』
助けられるかもしれない命なのに…。ゼロなりに、覚悟を決めなければならないことを言おうとしてくれていたかもしれないが、サイトはそれで納得できるほど割り切りがいい方ではない。まして、人の命にかかわることなのだ。
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