誓い-ラグドリアン-part2/眠れる王子
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わされた。まだウルトラマンとしても、人間としても未熟なままだ。
メフィストが居なくなったにもかかわらずダークフィールドがいまだに顕在している。
しかし、聞きたくなかった言葉を聞いてしまった。
ウェールズがすでに『死んでいる』、と。予想事態は、していた。黒いウルトラマンとビーストは死人と密接な関係にある。無論、人形師とそれに操られる人形と言う立場で。あのミラーナイト=ウェールズもそれだということだ。
「く…」
しかし気になるのは、奴の『面白いことを浮かんだ』という一言だった。奴は一体何をしようとしている?姫の皇太子への想いを弄ぶような真似をしてまで、一体何を考えている?
…だめだ。今はそれどころじゃない。他の連中の援護に回らないと。
「姫様…」
歩み寄ってきたルイズたちに、アンリエッタは視線を再度向け、そしてすぐに目を背けてしまった。
これまでの連続した非常事態で、ついに頭に血が上って訳がわからない状態から眼が覚めたのか、彼女は少しばかり落ち着きを取り戻しつつあった。だがそれは同時に、自分のやってしまったことに対する後悔がこみ上げる。
自分は、危うく自分の身を案じてここまできてくれた幼い頃からの友人とその学友たちを…果てはウルトラマンの命さえも奪い、奪わせようとしていた。今ならわかった。自分は、利己的な理由であまりに愚かしいことをしてしまったのだ、と。
「ルイズ……私は、なんと言ってあなたたちに謝ればいいの…?私のために、どれだけ、なんと言って許しを請えばいいの?」
――――…アン…リ…エッ…タ…
その声を、アンリエッタたちもその耳に入れた。
「ウェールズ…様……?」
もしかしたら、と思った。ミラーナイトの顔を見上げた彼女は、再び耳を済ませた。
「…アン…リ…エッタ…君…か…?」
「ウェールズ様…なのですね?…あぁ…」
アンリエッタの眼から、涙が再び零れ落ちた。さっきのように、操られていた時の妖しさは感じられない。穏やかで澄んだ声をしている。
「このときを、どれほど待ち望んでいたか…」
やっと、愛する人と本当の意味で再会できた。それが、一度彼を失い悲しみにくれたアンリエッタにとってどれほどの救いとなっただろうか。
しかし…彼らはまだ、これが悪魔の戯れの一章に過ぎなかったことを察することができなかった。
ズキンッ!!!
「ッウグゥ!!?」
突然ミラーナイトが頭痛にさいなまれ、自分の頭を抱えた。
「ウェールズ!?」「ウェールズ様!?」
グレンと、地上にいるアンリエッタやルイズが彼の身を案じて名を呼ぶが、直後にミラーナイトは油断していたグレンの首を両手で掴み、そのまま彼を持ち上げ首を締め上げていった。
「ぐ、があ…!!」
「…僕ハ…負ケラレナイ…」
ミラーナイトから、声がもれ出
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