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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
誓い-ラグドリアン-part2/眠れる王子
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の奇怪な台詞と様子に、戦慄を覚える。ファウストも不気味な奴ではあるが、こいつはさらに気味の悪さと異常さを兼ね備えた脅威だった。
「かねがね貴様のことを聞いて、ぜひこうして殺し合ってみたいとは思っていた。だが肩透かしになるのではないかと正直不安だったが…杞憂でよかったぞ!
俺と同じ血の臭い、そして戦慣れしたその戦闘力…これほど焼き殺し甲斐がある者は『あの男』以外で貴様が初めてだ!」
メフィストは歓喜に満ちた声を上げる。
「だが、このまま勝負をつけるのはもったいないな。この場は俺自らが手を引いてやろう」
自ら手を引く?そう聞いてネクサスは耳を疑った。ウェールズという人質兼戦闘員である存在を用いて、ガルベロスを率いて、これだけ自分たちを追い詰めておいて自ら手を引くだと!?
「何を考えている…?」
思わずネクサスはメフィストに対して問いを投げかける。
「何を…だと?ふふ…貴様ならすぐにわかるんじゃないのか?」
メフィストは肩を震わせながら笑う。
「俺とお前にとって、戦いとは生きるための導。そして弱者を踏みにじり、強者との戦闘を純粋に楽しむための唯一の楽しみ。だから貴様は、ウルトラマンとして戦っている。違うか?」
「一緒にするな。俺は何の意味も無く戦うことをよしとはしない」
メフィストの言い分をネクサスは真っ向から否定した。それもそのはずだろう。確かにビーストとの戦いは慣れてきた頃だが、こんな奴のように乙女の純情を弄び一方的に優位に立って勝利を飾るような糞野郎とは訳が違う。
「では貴様は、理由さえあれば誰とでも戦うというのか?」
しかしすかさずメフィストはネクサスに指差して言ってのける。
「…ふふ。面白いことを浮かんだ」
次に言ったその言葉に、ネクサスは抱かずにはいられなかった。単なる直感ではあるが、確かな確信があった。たった今こいつは、とんでもなくやばいことを思いついていた。
「次会う日までせいぜい死ぬことがないよう腕を磨いてくれよ?そして再会を果たした時、貴様を焼き殺しその死骸の焼け焦げた甘美な臭いを嗅がせてくれ…」
「待て!皇太子を元に戻せ!」
背を向けるメフィストに、ネクサスは手を伸ばして引きとめようとした。ここで奴を取り逃がしてはまずい。ここでしとめなければ、こいつのイカれた脳内事情のために、他の命が食らわれてしまう。
「…いいぞ、その怒りに満ちた炎のような目は。それでこそ…。
言っておくが、俺に皇太子の洗脳は解けん。それと…」
しかしネクサスの手がメフィストに届くことは無かった。彼がメフィストの肩をつかむ前に、メフィストは闇の中に溶け込むように姿を消した。


――――皇太子はすでに『死んでいる』ぞ?


膝を着くネクサス。結局取り逃がしてしまった。ファウストの時もそうだが、自分は何かと詰めが甘いと思
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