魔境-ミラーナイト-
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逢引するようになったあの頃、ウェールズがあることを教えてくれたことを思い出した。
『僕らアルビオン王家には、始祖の代から伝わる伝説があるんだ』
『アルビオン王家の伝説?興味がありますわ。教えてくださいませ』
トリステイン王家とは親戚関係のアルビオンの伝説。アンリエッタは個人的にも興味をもっていた。
『かつて始祖ブリミルは四人の使い魔を従えていたそうだ。そのうちの一人が、特殊な出で立ちでね。このハルケギニアとは異なる世界から始祖に召喚されたそうなんだ』
『異なる世界…ですか?あまりよくわからないのですが…』
『はは、僕もだよ。僕はあくまで伝え聞かれた話をそのまま口にしているだけなのだから。
…と、話がそれだね。その召喚された使い魔の一人は、鏡の世界に飛び込むことができるそうなんだ。そして何より、その力を利用した強大な力で、他の使い魔たちと共に始祖ブリミルを守り抜いた…とある。
やがてその使い魔は『鏡の騎士』としてたたえられ、始祖の子の一人…アルビオンの祖王と結ばれ、我が王室を作った。
この伝説が正しければ、僕はその騎士の血を引く存在…ということになる。本当かどうかは、もはや確かめようが無いけれどね』
「……」
ルイズの持つ虚無に続き、アルビオン王家に伝わる伝説が、まさに現実のものとなった。それも、アンリエッタの悪夢の一時の一部として。
早速襲い掛かってきたミラーナイト。スタイリッシュな動きでまわしけりを放ってくると、ゼロはその蹴りを、前転で切り抜け咄嗟に振り向き拳を突き出す。
ゼロは彼の放ってきた手刀を手で払いながら受け流すが、今度はその両手を握りゼロの腹に膝蹴りを食らわせた。腹を押さえながらもだえるゼロ。すかさずミラーナイトはゼロにつかみかかって彼を背負い投げ、ゼロは地面に叩きつけられた。
体を起こし、膝を着いた体制に整えるゼロ。すると、今度は横からガルベロスが火炎弾を放ち、ゼロに熱い一撃をお見舞いする。
「んの…!!」
相手は、ウェールズが姿を変えた存在。あまりやりすぎは可能なら控えておきたい。しかし、このまま時間をかけるのはまずい。ここは闇の空間の中、光エネルギーの消費が激しくなるのだ。
それに、新たな危機がゼロの目に飛び込む。
「ッ!シュウ!」
メフィストと戦っていたネクサスが防戦一方の状態に追いやられていたのだ。メフィストクローの斬撃を受けて倒れても、メフィストがネクサスの首元を鷲掴みし乱暴に立たせて腹や胸を殴りつけていた。
「…ッグ…!!」
ガルベロスには、目から相手を催眠状態に陥らせる能力を持つのだ。先日の戦いでガルベロスに噛まれたダメージはシュウがストーンフリューゲルで一旦眠りに着いたため癒されたはずなのだが、ガルベロスの催眠波動がその時のダメージを蘇らせているのだ。
「どうして?たか
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