暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
魔境-ミラーナイト-
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しまう。
「そこにいたか、ミス・ヴァリエール。少しは持ちこたえたようだが…これで終わりだ」
「ッ…!!」
ウェールズが杖を構えると同時に、ガルベロスが再びルイズの方を振り返ってしまう。圧倒的な巨体を誇る化け物の鋭い視線にルイズは思わず目を閉ざす。しかし後悔はなかった。サイトを少しでも助けられたのなら。
「「ルイズ!!」」
どうして出てきた!思わず声を上げるサイトとアンリエッタ。しかしガルベロスは、ルイズにむけてその手を伸ばしてきた。
『サイト!』
『ああ!』
「デュワ!!」
サイトはすぐにウルトラガンを腰のホルスターに仕舞い、ゼロアイを展開し目に装着し光を身にまとった。
直後、ルイズの前にどこからか飛んできた銀のブーメランが一本飛来、彼女の前に迫ったガルベロスを切りつけ吹っ飛ばす。
「ギエアアアア!!!」
悲鳴を上げるガルベロス、そして目を閉じていたルイズは目を開く。自分を守る盾とならんがためか、自分の目の前に、これまで自分たちのピンチを救ってきたあの巨人が立っていた。
「ウルトラマン、ゼロ…!」
アンリエッタは、自分がそう思う資格がない立場にあることは分かっていても、ルイズの死が回避されたことに安心した気持ちを誤魔化しきれなかった。
「く…もう一人のウルトラマンまで…!」
また邪魔者が増えて悪態をつくウェールズ。だが、これでウルトラマンたちは怪獣とメフィストとの頭数を合わせて二対二。イーブンだ。
まだ勝負はわからなくなった。ここは様子見することにしよう。
「アンリエッタ、こっちにくるんだ」
「あ…!」
ウェールズはアンリエッタを強引に引っ張ってこの場から一旦離れることにする。アンリエッタはウェールズに引っ張られた際、ゼロを見つめるルイズと、傷を負って膝を着きながらもゼロの姿を見上げるアニエスを振り返ることしかできなかった。




「血の臭い…だと?」
「ああ、そうだ。貴様からは血の臭いがぷんぷん漂っている」
ネクサスに対し、メフィストは言った。
寧ろ血の臭いがするのはメフィストの方のはず。なのに奴は、ネクサスも血の臭いにまみれていると指摘した。
「俺と同じ血にまみれた修羅の臭いがするぞ。ここに来たのは、別にアンリエッタを助けるためじゃない。本当は血を血で洗う戦いを、貴様が求めているからじゃないのか?」
血でまみれた…。ネクサスは思わず押し黙った、まるで何か思い当たることがあったのか。
いや、血と言う単語を聞いて、一瞬彼の脳裏にある光景が浮かぶ。
森の中で展開されている戦場。乱射される銃弾によって倒れていく人々。ある人物の名を呼びながら戦場の真ん中を無謀に走る幼い少女。そしてその少女が、爆死した姿。
最後に、壊れた建物の真ん中で、雨に打たれている自分の腕の中で、血を流しながら目を閉じていった
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