暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
魔境-ミラーナイト-
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違えることはないということを」
ウェールズは、数年前にアンリエッタとかわした時の話を持ち出した。覚えている。アンリエッタはあの時ウェールズに対して共に誓おうと勧めたのだから。
「だから、わからなくていいんだよアンリエッタ。君は黙って僕に従っていればいいんだから」
その言葉を聞いてアンリエッタは顔を上げる。不思議なことに、ウェールズの体のまわりから黒い霧のようなものが見えた気がした。
「ウェールズ、さま…!?」
今更かもしれない。だが、アンリエッタの中に薄々疑惑がのしかかった。
「さて、早く野暮な邪魔者を始末しなくては。徹底的にね」
アンリエッタの視線を気にせず、ウェールズは次に視線をガルベロスの方に傾ける。
「メンヌヴィル殿、あなたが僕に貸した獣は大いに役立ちますね…ふふ」
ウェールズの瞳に映るガルベロスは、その獰猛な目を赤く明滅させていた。その視線の先に映るのは、黒い悪魔と戦う、紅の模様をその身に刻んだ銀色の巨人だった。



「くそ…このままじゃ!!」
ダークフィールド内の、ちょうど岩陰に隠れたサイトとルイズは辛うじてガルベロスの火炎弾をやり過ごそうとしていた。自分たちが身を隠したことで一端攻撃を中断したガルベロスが自分たちを探しているのが見える。だがその気になれば周囲の岩や森を破壊してこちらの姿をあぶりだそうとすることもあり得ない話ではない。
「王子を何とか再起不能にさえすれば…」
今のウェールズはガルベロスを操る怪獣使いのようなものでもある。あの怪獣は厄介だが、せめてウェールズを叩けば、ガルベロスも彼のコントロールから離れてこちらが優位に立てるかもしれないと思った。しかしルイズは意外なことを口にした。
「…無理よ。ここは一端退くしか…」
「ルイズ、本気か!?姫様が連れて行かれるんだぞ!」
フーケ事件のルイズのように、単なる名誉や誇りのために…というためではない。ここでウェールズを見逃したらアンリエッタが連れて行かれてしまう。今や彼女は女王となる身で国民に強い影響力がある。他に世継ぎもいない今彼女が連れていかれたらトリステインは大混乱に陥ってしまう。同時にルイズの幼き日の友達を連れていかれていいのか?いや、いいはずがない。
だがルイズは、退くと言う選択肢をとろうとしていた。あのルイズがその手を取るとは思わなかった。貴族とは背を向けない者、それにアンリエッタは忠誠を誓うべきにして幼い頃からの、身分を超えた友達。なのだから。
「サイト、姫様たちを見て」
「え?」
サイトはガルベロスに見つからないよう、岩陰からそっとウェールズたちを覗き見た。よく見ると、アンリエッタのウェールズの周囲の空気がおかしい。不自然に二人の周りを風が覆っている。
「水と風のトライアングルクラス。それも王家の血を引くからこそ恵まれた特別な
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