暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
魔境-ミラーナイト-
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って来たなんて、ウェールズは一体何者になってしまったと言うのだ?
「姫様…」
アンリエッタは悪魔と地獄の番犬が味方に着けている自分の立場に疑問さえも抱かないのか?ルイズは、いくら一度の気の迷いだとしても、ここまで決意を固くしている姫を見たことがなかった。
「やれ、ガルベロス!!」
「グルオオオオオオ!!!」
ウェールズに従うまま、ガルベロスはサイトとルイズに向けて火球を放ってきた。
「こっちだルイズ!」
さすがにこれはまずい。サイトとルイズは直ちにその火炎弾と反対の方角へ逃げる。ここで無謀に立ち向かったところで、逆に消し炭にされてしまう。
「ウェールズ様ッ…!」
ガルベロスは容赦なくルイズたちに向けて火炎弾を放ち続けている。ウェールズがこの獣を、冷たい笑みを浮かべながら使役しているその様はあまりに異常だった。さすがにアンリエッタも、これだけの力の差を見せつけてなお攻撃している彼に向かって口を開いた。
「…ウェールズ様、もう十分ですわ。ここまですればルイズたちは…」
やはりここで見逃してやろう。自分たちには逃げられるだけの力があるのだから。しかし、ウェールズからの返答はアンリエッタの期待を裏切った。
「いや、残念だが彼女達にはここで死んでもらう」
アンリエッタはそれを聞いて絶句した。そして納得ができないと声を荒げた。
「なぜです!あなたにはもうあの子たちがまともに逆らえるだけの力がある!そしてウルトラマンネクサスも、黒い巨人となったミスタ・メンヌヴィルに殿を任せれば、ルイズたちを殺さずとも十分に逃げ切ることができます!なぜ追い打ちをかける必要があるの!?」
「なぜって…決まっているじゃないか?奴らは、この僕を『殺しに来た』んだよ?せっかくこうして僕は君の元に戻って来たのに、今度こそ殺されることになってもいいのかい?」
アンリエッタは、笑みを浮かべたまま冷酷な言葉を吐くウェールズを見て、膝を着く。
「信じられないのなら、君の魔法で僕の胸を抉ってくれ。君の手にかかるなら本望だ」
「そ、そのようなことが、私にできるわけ!!
なぜ…です…私はここまでのことは望んでないわ!ただ、あなたと共にありたい!愛し合いたいだけなのに!
私は…あなたが分からなくなっていく…」
アンリエッタはたまらず涙をこぼし始めた。ルイズたちが立ち向かってさえ来なければ、このまま見逃すつもりだった。それでも敵意を向けてきたからこそ応戦することになったのだが、怪獣と言う圧倒的戦力を操り、さらに味方にはウルトラマンに対抗できるだけの黒い巨人がいる。ならもう十分だ。それでもウェールズは彼らに対する攻撃の手を緩めようとしないのだ。自分の知っているウェールズは、こんなにも容赦のない男のはずが…。
「覚えているかい?ここ、ラグドリアン湖の水の精霊の前でなされた誓約は
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