魔境-ミラーナイト-
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イズに向けて手を伸ばすゼロ。ゼロスラッガーを握り、痛みをこらえながら駆け出すゼロ。確かにルーンの効力はあるが、体がそれについていけなくなったせいかすぐにゼロは倒れてしまった。
『相棒、無茶だ!もうお前さんはかなりガタがきてやがる!そんな状態でガンダールヴの力に頼っても帰って体を痛めつけるだけでしかねえ!!』
デルフからの警告が脳裏に流れ込んできた。ガンダールヴの能力には武器を握ることで身体能力を一気に向上させる効力があるものの、同時に疲れがどっと溢れてくるというリスクも孕んでいたのだ。この最悪のタイミングでそれが発するとは、なんと言う厄日なのだろうとゼロは天を…そして一番情けない自分自身を呪いたくなる。
ガルベロスが、すでにルイズたちに向けて足を振り上げてきた。
もう間に合わない。
遠くから見ていたアンリエッタは、もう今更自分が叫んだところであの怪物がとまることがないことを悟った。ルイズの死に様を見届ける勇気は到底なく、思わず目を背けた。
そのときだった。
突然どこからか、赤く燃え上がる炎がガルベロスに被弾し、そのままルイズたちとは反対方向に吹っ飛ばす。
「「!!?」」
一体今度は何が起きたというのだ。顔を上げると、上空から突風が吹いてきた。何かがばたばたと羽ばたく音が聞こえてくる。
「はあい、ルイズ♪」
その声を聞いてルイズはぎょっとする。こんな挨拶をしてくるのは一人しかいない。そしてこの大きな生き物が羽ばたく音も。
「き、キュルケ!!それにタバサまで!!なんであんたたちがここにいるのよ!」
予想通りだった。頭上から、キュルケとタバサの二人が降りてきたのだ。
「あの制服、魔法学院の生徒か…?」
アニエスはキュルケたちの制服を見て、彼女たちもルイズたちと同じ魔法学院の生徒だと察する。
「そんなことより、お礼を言うのが先じゃない?」
じとっと細い目で見てくるキュルケにルイズは息を詰まらせる。タバサにいたっては特に気にしていない様子だが。
「…あ、ありがと」
「よろしい」
とりあえず例をいえない奴とは思われたくも無いし、実際助かったのでルイズはキュルケたちに礼を言った。
「説明すると、タバサの実家にお邪魔させてもらってたのよ。そこでしばらく泊まってそろそろトリステインに帰ろうとここを通ったら、行き成り空がタルブの時みたいになっているんだから驚いたわよ」
「後はシルフィードで周囲を観察。そうしたら、あなたたちがいた」
キュルケとタバサがここまでの自分たちのいきさつを説明を入れた。知らない間に帰省なんてしていたのかタバサは…とルイズは思った。
「それにしても、あんたいつからあんたすごい炎を出せるようになったのよ?」
さっきルイズたちを助けたような、ガルベロスを吹っ飛ばすほどの魔法、これはただごとではな
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